11/26(日)教員育成セミナーを開催しました

【実施報告】私学教育研究プロジェクト「教員育成セミナー」(2023年11月26日)

私学教育研究プロジェクトは、11月26日に「私立学校教員の採用と研修をめぐって」をテーマとした教員育成セミナーを開催しました。

 講師は、石川一郎氏(聖ドミニコ学園カリキュラムマネージャー)と山崎吉朗氏(一般財団法人日本私学教育研究所特任研究員・一般社団法人日本外国語教育推進機構理事長)のお二人でした。

  石川先生からは、現代教育の流れとして「SDGs」とOECDの「ラーニング・コンパス」を紹介し、「Well-Being」が目標とされていることの意義を強調されました。「Well-Being」は訳しづらい言葉ですが、「自分について広く、深く理解する」「他者と仲良くやっていく」「自己管理能力やセルフコントロール力の習得」などを意味しています。その上で、「知識理解」や「論理的思考」を踏まえた「創造的思考」が重要であると述べられました。教員採用については、ともに仕事をする仲間であるという「パートナーシップ」の意識が重要であり、育成にあたっては、「教師のワークライフバランスの重視」「授業を中心とした研究活動」「生徒の支援者」といった視点が求められると指摘されました。

  山崎先生は、日本私学教育研究所が実施してきた教員研修会の状況を、具体的なデータを含めて紹介されました。私学教員は、初任者研修や中堅教員研修等の法定研修の対象には含まれていないが、「公立に準じる」形で実施してきたこと、また「学校経営研修会」「教育課程研修会」等の課題別の研修会も行っていることに触れられました。そして更新講習廃止後の研修についても、文部科学省の議論は専ら公立学校を念頭に置いたものであり、私学は改めて研修のあり方を考える必要があると指摘されました。また研究所が設けている「依託研究員制度」にも触れられ、教員が個人の資格で自由に研究できる場があることを強調されました。

  質疑応答では、「私学教員の研修が公立と異なる点は何か」「私学教員には広報(生徒募集)」の役割もが求められるのではないか」といった質問・意見等が出されました。

  小雨も降る寒い日の開催となりましたが、私学教員や教員志望の学生を含め30名弱の参加申込があり、充実したセミナーとなりました。

(友野清文)