2010年6月

女性の就労環境と登用状況に関する調査研究結果発表 [2010年06月23日(水)]

女性の就労環境と登用状況に関する調査研究

 

昭和女子大学
女性文化研究所
所 長 坂東眞理子
所 員 飛田 史和
研究員 渡邉 祐子
連絡先: 03-3411-5096
メール:fhida@swu.ac.jp

 

結果のポイント

 このほど昭和女子大学女性文化研究所は、一定の基準により抽出した日本の有力大企業における女性正社員の就業環境、登用状況について調査研究を行った。
 雇用機会均等法制定から4半世紀、政府は2020年までにあらゆる分野の指導的な地位を占める女性の割合を30%とする目標を掲げており、また両立を可 能とする職場の就業環境を向上させるワークライフバランスの普及に取り組んでいるが、大企業における女性の登用はまだ低調で、就業の状況も十分には把握されていない。大企業は一般に中小企業に比べ労働条件は恵まれており勤続年数も長いが、登用状況には企業により差がみられる。女性比率の高い企業は労働条件 が厳しく離職率、未婚率が高く、また女性の働きやすい企業が女性を登用しているとは限らない。女性の登用を進めるにはワークライフバランスの推進だけではなく、経営の「意志」が必要なことを推測させる。

結果のポイントは以下のとおりである。

1.有力大企業の正社員の平均勤続年数は全国平均より男女とも約4年長く、離職率も全国平均の約半分の低さである。有給休暇の消化率も大企業がやや長い。・・・Ⅰ①②(図1、2、3)大企業の労働条件は良い

2.女性の既婚率は平均34.8%で日本全体の女性労働者の既婚率が約61%と推計されるのに比べかなり低く、大企業はまだ未婚女性が約3分の2を占めで全国平均と逆転している。・・・Ⅰ③(図4)大企業では未婚率が高い

3.女性社員比率は23.8%と低いが、小売業や生命保険などは高く業種により女性比率が大きく異なる。女性比率の高い企業は勤続年数、有給休暇消化率、既婚率が低く、就業環境は厳しく、離職率も高い。・・・Ⅰ⑥

4.女性役職者比率は5.6%に過ぎず、全国平均(「労働力調査」10.2%)を下回っている。女性社員のうち役職者に登用されている比率は0. 204に過ぎない。しかし、ジャックス、フロントリテイリングなど0.7を上回っている企業もみられる。・・・Ⅰ⑥

5.女性役職者比率と勤続年数、有給休暇消化率、既婚率との相関は高いとは言えず、女性が働きやすい企業が女性を登用しているわけではない。・・・Ⅱ

今後当研究所としては、毎年継続的に調査していく予定である。

<お詫び>(2010.9.24)
6月23日公表の「女性の就労環境と登用状況に関する調査研究報告」に誤りがありました。
 
 正:女性登用率(女性役職者比率/女性比率)
 誤:女性登用率(女性役職者数/女性数)

 お詫びして訂正します。
 なお、定義の修正以外に内容の変更はありません。

調査結果(訂正版)の詳細はこちらをご覧ください研究報告

女性文化研究叢書第七集『女性と仕事』合評会を開催しました [2010年06月18日(金)]

6月15日(火)、女性文化研究叢書第七集『女性と仕事』の合評会を学園本部3階中会議室にて開催しました。

合評会は新たな知見の広がりと研究への刺激となることを期待しつつ、著者の執筆の意図に続いてコメンテーターがコメントを述べる形で進められました。

「戦後日本の女性農業者としごと」
   執筆者:天野寛子先生 コメンテーター:粕谷美砂子先生
「女性と専門職-社会福祉職の場合」
   執筆者:秋山智久先生 コメンテーター:伊藤純先生
「会津藩家老梶原平馬をめぐる女性-山川二葉・水野貞と仕事」
   執筆者:遠藤由紀子先生 コメンテーター:千葉功先生
「ガヴァネスとブロンテ姉妹」
   執筆者:金子弥生先生 コメンテーター:瀧澤正彦先生

  

厳しさと温かさを兼ね備えたコメントには、論文に対する評だけでなく今後の研究に対する期待が語られ、参加した聴衆とともに有意義な時間を過ごすことができました。

第123回女性文化研究所研究会のお知らせ [2010年06月09日(水)]

女性文化研究所研究会(通算123回)を下記の通り開催します。

日  時:平成22年7月12日(月)16:30~18:00
場  所:学園本部館3階 中会議室
題  目:「現代中国における女性の就業問題―出稼ぎ労働者を中心に」
報 告 者:小原 江里香(津田塾大学学芸学部国際関係学科助教)

7月8日(木)までに電話またはEメールでお申し込みください。
直通TEL:03-3411-5096
Eメール:jobunken@swu.ac.jp

第122回女性文化研究所研究会のお知らせ [2010年06月08日(火)]

女性文化研究所研究会(通算122回)を下記の通り開催します。

日  時:平成22年6月29日(火)16:30~18:00
場  所:大学1号館2階 会議室
題  目:「アカデミアにおける男女共同参画推進―東京大学の場合」
報 告 者:都河 明子(前東京大学教授/国際女性技術者・科学者ネットワーク日本会長)

6月25日(金)までに電話またはEメールでお申し込みください。
直通TEL:03-3411-5096
Eメール:jobunken@swu.ac.jp

昭和女子大学女性文化研究賞・同研究奨励賞の贈呈式・受賞者記念講演開催 [2010年06月03日(木)]

5月25日、第2回(2009年度)昭和女子大学女性文化研究賞(坂東眞理子基金)・昭和女子大学女性文化研究奨励賞(坂東眞理子基金)の贈呈式・受賞者記念講演を学内外から約150名の方にご臨席いただき学園本部館大会議室にて開催しました。

贈呈式では坂東眞理子選考委員長のあいさつの後、森ます美選考委員の選考報告に続き、辻村みよ子氏(東北大学大学院法学研究科教授)に昭和女子大学女性文化研究賞が、掛川典子選考委員の選考報告に続き、斎藤悦子氏(岐阜経済大学経済学部教授)に昭和女子大学女性文化研究奨励賞が贈呈されました。

坂東眞理子選考委員長はあいさつの中で「昨年からスタートしたこの賞を今年は日本が誇る辻村先生と昭和女子大学を舞台に力をつけてくださった若い斎藤先生に差し上げることができて大変うれしく思う。また、昭和女子大学女性文化研究賞は特に男女共同参画、社会政策といったものに重きを置きたいと考えており、 そういう意味でも趣旨にぴったりの受賞作に決定することができたことを大変喜んでいる。」と述べられました。

贈呈式に引き続き、昭和女子大学女性文化研究賞を受賞された辻村みよ子氏が「『憲法とジェンダー―男女共同参画と多文化共生への展望』から」と題し記念講演をされました。

式後の記念祝賀会は会場を学園本部中会議室に移し、和やかな雰囲気の中で受賞者の喜びの言葉のほか、お祝いのスピーチや歌の披露などが行われました。

昭和女子大学女性文化研究賞選考報告は⇒こちら

昭和女子大学女性分家研究奨励賞選考報告は⇒こちら
*当日の様子と辻村みよ子氏の記念講演会の内容については、2011年3月発行の「昭和女子大学女性文化研究紀要」に詳しく掲載する予定です。

 

  

2010年度読書会のお知らせ [2010年06月01日(火)]

2010年度昭和女子大学女性文化研究所読書会を下記の通り開催します。
本年度も昨年度に続き「昭和女子大学女性文化研究賞候補作を読む」と題し、オムニバス形式で1回に1冊ずつ取り上げていきます。

テキストは必要な部分だけを女性文化研究所にて準備いたします。

参加をご希望の方は、開催日前日までに女性文化研究所へ電話またはメールにてお申し込みください。
(TEL:03-3411-5096 mail:jobunken@swu.ac.jp)

チラシは<こちら>をご覧ください。

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★日時:2010年7月15日(木) 16:30~18:00
★場所:学園本部館1階第1会議室
★タイトル:『ワーク・ライフ・バランスの経済学:社会化した自己実現人と社会化した人材マネジメント』(渡辺峻著、中央経済社)
★コーディネーター:杉田 あけみ(女性文化研究所特別研究員、千葉経済大学短期大学部ビジネスライフ学科教授)
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後期の読書会は以下を予定しています。

11月 『女神の末裔:日本古典文学から辿る<さすらい>の生』(小林とし子著、笠間書院)
12月 『メディアリテラシーとジェンダー:構成された情報とつくられる性のイメージ』(諸橋泰樹著、現代書館)
1月  『クィア物語論:近代アメリカ小説のクローゼット分析』(松下千雅子著、人文書院)