和本『甲州小室山伏問答記』と版木の展示


10月の展示は、『甲州小室山伏問答記』
和本板木です。

これらの史料は中西裕先生(図書館副館長・
現代教養学科)のご所蔵品です。
江戸時代の板木の実物と、更にその板木で刷られたであろう和本も同時に並べて見ることができる貴重な機会です。
ぜひ図書館に足を運んでご覧ください。
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【『甲州小室山伏問答記』】

『甲州小室山伏問答記』は江戸時代に出された版本で、日蓮と山伏恵朝阿闍梨善知との験(ゲン)比べを物語ったものです。
験比べとは、修験者たちが互いの修行によって得た力の優劣を比べあうことです。言い伝えによると日蓮が勝ったといわれています。
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【頁と丁】

和本では、現代の本の頁(ページ)のことを、丁(ちょう)と表し、紙一枚単位で数えます。印刷した紙を一枚ずつ折りたたんで製本するので、今の本の二頁(表と裏)が、和本では一丁となります。
木版本は、この一丁分を一枚の板木に彫ります。文字は裏返しに彫られ、それに墨を塗って和紙を置き、バレンで刷ります。
この展示の板木の真ん中(版心)に「小室山伏問答 九」とあり、九丁目の板木であることがわかります。(実はこの板木の裏側には十丁目が彫られています。)

和本の「甲州小室山伏問答記」九丁目と合わせて見てください。和本のどこが、板木のどこに当たるか、目を凝らして探してみてください。
 (Y.I)