学生のおすすめ本、第4弾です!
書評は、学生選書ツアーコーナーにも掲示していますので、ぜひご覧ください。
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『スイートリトルライズ』
(著者名:江國香織, 出版社:幻冬舎, 出版年:2006, 請求記号:913.6/Eku)
江國さんの本が好きだったのと、ほのぼのとした日々を描いた小説をよみたかったので選びました。不倫の話だったのですが普段読まないジャンルでした。「人は守りたいものに嘘をつく」という言葉が心に残りました。私は結婚もしていないしまだ先のことだけど、空気感、距離感、人の感覚がリアルで伝わってくるような気がしました。もやもやするけど考えさせられます。深くて、大人な小説でした。 S.M(国際1年)
『小説 言の葉の庭』
(著者名:新海誠, 出版社:KADOKAWA, 出版年:2016, 請求記号:913.6/Shi)
この作品は、映画「君の名は。」の監督である新海誠氏が、過去に監督をして公開された映画「言の葉の庭」をノベライズしたものです。靴職人を目指す高校生の孝雄と、自分のことを多く語らない謎の女性、雪野が雨の降る公園で親交を深めていくという映画のストーリーをベースとし、さらに彼らの周りの人物たちの視点を増やしたものが、この作品となっています。この作品の大きな特徴は、各話の内容に合った万葉集の和歌が最後ページに書かれているところです。たとえば、孝雄と雪野が出会う話では、「雷神の しまし響もし さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」という和歌が用いられています。これは帰ってしまいそうな男性を引き留めようとする女性の歌であり、後に登場する男性からの歌へ問いかける歌となっています。和歌だけ見ると難しいと思う方もいるかもしれませんが、物語と合わせて読むと、世界観、登場人物の心情と重なり、ストーリーにさらなる深みを与えてくれると思います。新海氏の描く世界と和歌、この2つを合わせて作品を楽しんでもらえれば嬉しいです。 ペンネーム:taki(日文3年)