【本の紹介】図書館インターシップのおすすめ本を紹介します- 2 –

図書館インターシップのおすすめの本を紹介します。
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タイトル:『手紙』(文春文庫)
著者  :東野圭吾
出版年 :2006.10.10
出版社 :文藝春秋
請求記号:913.6/Hig

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。
弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き、感動を呼んだ不朽の名作。(裏表紙から引用)

東野圭吾さんと言えば探偵ガリレオシリーズが有名ですが、考えさせられるような重いテーマの作品が結構あります。『手紙』では、加害者家族の直貴がその境遇から様々な場面で苦しい思いをします。テレビや新聞で報道される事件では被害者家族をとりあげることはあっても、加害者家族にはスポットは当たることはほとんどありません。当人が犯した罪ではないのに血縁というだけで向けられる差別の目。加害者家族が直面する厳しい現実がリアルに描かれています。

この作品では序章だけ唯一兄、剛志の視点で描かれています。どうして強盗殺人に至ってしまったのか、また剛志が何を思っていたのかが分かります。
直貴の苦悩、剛志の想いを両方分かるからこそ、段々とすれ違っていく様に切なくなります。

インターネットの普及で今ではほとんど書かなくなってしまった手紙。
この作品を読むと、誰か大切な人に手紙を書きたくなります。

東野圭吾さんの作品を一度も読んだことない人にも是非読んでもらいたいです。(M.S)


タイトル:ロードムービー
著者  :辻村深月
出版年 :2011年9月
出版社 :講談社
請求番号:913.6/Tsu

運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。(裏表紙より引用)

辻村さんの初期作品には、現実への満たされない思いから〝ここじゃない、どこか遠く〟を望む少年少女の姿が描かれています。
今回紹介する「ロードムービー」という短編集は、それらの集大成ともいえる作品です。

特にオススメなのが、2作品目の「道の先」という話です。
「道の先」は、辻村さんのデビュー作である「冷たい校舎の時は止まる」の登場人物が主人公です。彼はかつて〝遠く〟を望む側にいましたが、今作では成長して〝遠く〟を手に入れた存在として登場します。
そんな彼が、かつての自分のように〝遠く〟を望む人物へ告げる言葉が非常に印象的です。

「今、どれだけおかしくても、そのうちちゃんとうまくいく。気づいた頃には、知らないうちに望んでいた〝遠く〟を自分が手にできたことを知る、そんな時が来る。それまでは、どれだけめちゃくちゃだって悲しくたっていいんだ。」(「道の先」P.247より引用)

読みながら、登場人物たちが「大丈夫だよ」と寄り添ってくれている気分になる、温かい作品です。
「冷たい校舎の時は止まる」を読んだ方はもちろん、読んでいない方でも楽しめます。ぜひ読んでみてください!(K.K)
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