秋の小雨に煙る下鴨

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先日、京都――下鴨神社へ行ってきました。
下鴨神社は今年、21年に一度社殿を造り変える”式年遷宮”の年に当たります。
そのため、4月に正遷宮が斎行されたばかりの社殿は驚くほど色鮮やかでした。

境内にある糺の森を抜けると鳥居があります。
その参道脇に佇むのが、「さざれ石」。

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「君が代」にも歌われる「さざれ石」とは、小さな石という意味で、火山の噴火により石灰岩が分離集積して凝固した岩石のこと。他県では天然記念物として扱われているものもあるそうです。
日本各地には、子持ち石や赤子石など石を神として祀る信仰がたくさんあり、「さざれ石」は、年とともに成長し、やがて岩となると信じられています。

 

   我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで  

                                          よみ人知らず

 

「古今和歌集」には生石伝説の「さざれ石」が詠まれており、これが国歌の原典となっているのだそうです。

さて、そんな下鴨神社ですが「みたらし団子」発祥の地とも言われています。

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境内を流れる御手洗川に架かる輪橋の奥には、「御手洗社(みたらしのやしろ)」があります。
御手洗社は井戸の上に祀られることから井上社とも呼ばれ、御手洗池から湧き出るアワを人の型にかたちどって「みたらし団子」になったとされており、土用の丑の日には無病息災を願う「みたらし祭」も行われます。

また、下鴨神社は縁結びの神社としても知られ、参拝した際も結婚式を行っているカップルが複数組。
そして時期的なものもあり、七五三で祈祷と受けている親子も見受けられました。

生憎の雨模様でしたが、水滴で糺の森の緑もいっそう美しく見え、参拝を終えた後は近くのお茶屋さんでみたらし団子を頂きました。
思いがけず国歌の原典に触れることもでき、充実した参拝となりました。
まだまだ見どころの多い、下鴨神社――次は時期を変えて、光琳の梅の咲く頃にでも訪れたいと思います。

(NG)