2017年7月

授業風景(大学院) [2017年07月26日(水)]

<授業風景>

今日は日本語教育を専攻する大学院の様子について少しご紹介します。以前にも<授業風景>で少し紹介しましたが、日本語教育専攻の大学院生は、現在修士課程に8名、博士課程に4名在籍し、他にも研究生や科目等履修生として授業に参加する学生たちがいます(写真は修士課程のメンバー)。さて、日本語教育専攻の大学院で学生たちはどんなことを研究していると思いますか? 日本語教育専攻の大学院生は次の二つのグループに分けることができます。一つは日本語教師として経験を積んできた社会人グループで、こちらは全員日本人です。もう一つは日本語教師になることを目指す新卒のグループで、こちらは全員留学生です。

社会人である日本人グループは、自分の日本語教師としての経験に基づいた問題意識を明確に持っていて、それを解決することを研究課題とします。たとえば、外国籍の高校生に日本語を教える人は、外国籍の高校生たちの母語の力に注目し、彼らが母語ですでに身につけている認知能力や考える力を日本語の習得に活かすことを実証しようとします。

一方、留学生グループは、教師としての経験がないので、問題意識は自分の日本語習得に向きます。つまり、自分が日本語を習得する過程で苦労した文法項目(たとえば、複合動詞の習得、自動詞と他動詞の使い分け、終助詞の習得など)に注目し、どうすれば日本語学習者がそれらの項目を少しでも効果的に学べるかを探ろうとします。一つだけ例をあげて、みなさんにも一緒に考えていただきたいと思います。次の〇印の終助詞「ね」は正しいのですが、×印はなぜ間違いなのでしょうか。「ね」にはどんな意味機能があって、どんな時に使って、どんな時には使えないのでしょうか。

〇 A:今日はいい天気ですね。

B:そうですね。

〇 A:ちょっと郵便局に行ってきますね。

B:うん、わかった。気をつけて。

× A:お国はどちらですか。

B:私は韓国人ですね。

ここでは答は明かしませんが、日本語には学習者が習得に苦労する文法項目がいくつもあります。こうした文法項目の規則を探ること自体も面白いのですが、その複雑な規則を学習者がどのように身につけていくのかは不思議に満ちていて、ダイナミックな研究課題です。

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(YO)

オープンキャンパスのお知らせ [2017年07月14日(金)]

<受験生のみなさんへ>

みなさん、こんにちは!
日文キャラクターさくらです。

今月も、オープンキャンパスを開催いたします。

日 時:7月23日(日) 10:00~15:00

★学科の企画★
学生による学科紹介
時間 10:45~11:00/13:45~14:00 ※同一内容
場所 B13S38教室

体験授業 外国人に日本語を教えるための「やさしい日本語」
講師 植松容子 専任講師
時間 11:10~11:50/14:10~14:50 ※同一内容
場所 B13S38教室

日本語だけを使って日本語を教える?一体どうやって?
その鍵となるのが、「やさしい日本語」です。
母語である日本語を外国語として捉え、やさしい日本語について学び、
日本語教師への第一歩を踏み出してみましょう。
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学科ブースでは、学科の学びを紹介するパネルのほか、
教員・学生アドバイザーがお待ちしています。

――大学生活って、どんな感じ?
――勉強って、たいへん?
素朴な疑問を何でもお尋ねください。

みなさんにお会いできることを楽しみにしています。

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(sakura)

卒業生が遊びにきてくれました [2017年07月11日(火)]

<日文便り>

先週は、卒業生がたくさん訪れてくれた「卒業生ウィーク」でした!
メッセージを寄せてくれましたので、ご紹介します。

まずは、5日(水)。なんと…京都から来てくれました!

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みなさんはじめまして!
5年前に卒業した元学生です。
在学時には着付けサークルに所属していて
4年次には着物の学校に通っていたこともあり
着物姿で通学していた日もありました。
現在はそれが縁で京都のレンタル着物屋さんで
働いています。好きなものや趣味が高じて
仕事に繋がることも多くあるはずです。
在学生のみなさんは今のうちに大学生の特権を活かし
様々なものを見聞きして興味の幅を広げて
楽しい大人ライフを過ごせるようにしてくださいね♡
(2012年卒 R.H)

*さらに! 「京都に来た際はぜひ着物や浴衣を
レンタルして京都を満喫してくださいね。」とのことで、
現在、 パンフレットを学科掲示板に置いています。
興味がある方はぜひ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

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次に、8日(土)。ゼミ生二人組、元気な赤ちゃんもいっしょに♪

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
卒業して、すごく久しぶりに大学に来ました。
ゼミの頃のことをなつかしく思い出しました。
卒業しても、帰ってきたくなる日文です。
在学中をめいっぱい楽しんでください!
(2012年卒 K.T)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5年ぶりに大学に来ました。すごく懐かしくて、
色々と思い出しました。特に卒業論文が大変だったことが
一番印象に残っています。
皆さんは大学生活を悔いなく楽しんで下さい。
(2012年卒 I.F)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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ゼミの先生と♪

みなさんの元気なすがたが見られてよかったです^^
また遊びにきてくださいね!

(IM)

めざせ、アクティブ・ラーナー! [2017年07月10日(月)]

<受験生のみなさんへ>

夏休みの計画の中に、オープンキャンパス訪問を入れている人も多いかと思います。志望している、あるいは受験を検討している大学を訪れ、キャンパスの雰囲気を実際に味うことで、入学への意欲をさらに高め、勉強への大きな励ましとなります。またオープンキャンパスでの企画に参加することで、漠然としている自分の将来イメージへの道筋が確認できるかもしれません。大学のいろいろな姿を実地に確認できるオープンキャンパスへの参加を強くお勧めする次第です(ちなみに昭和女子大のオープンキャンパス日程は、7月23日(日)、8月19日(土)、8月20日(日)となっています)。

さてオープンキャンパスではいろいろな企画が催され、どの企画もお勧めですが、ぜひ確認して頂きたいのが、大学と高校の違いです。例えばオープンキャンパスの定番、体験授業からも両者の違いが実感できるかもしれません。体験授業は、大学の各学科がそれぞれの特色を伝える場として企画されていますから、各学科の学修を知る絶好の企画となっています。しかし体験授業の受講をお勧めする理由は、これだけではありません。授業の形や進行の具合等、体験授業を通して大学と高校の授業の違いを見ることもできます。

高校と大学の授業の違いは何でしょうか。高校では50分授業なのに対し、大学ではほとんどの授業が90分でなされるように、まず授業時間が違います。ただしこうした形態的な違いではなく、両者には受講のありかた自体に大きな違いがあります。学校が時間割を決め、クラス全員がほぼ同一の教室で授業を受ける高校のスタイルに対し、大学では自分の履修計画に従って、時間割を作成し授業を受けます。時間割を決めるのは、自分の学びたいことや関心であり、大学での学びは、自ら学んでいく姿勢から生み出されます。自らの意志や判断によって学びを広げていくアクティブ・ラーナーであることが求められるのです。

大学の授業でも、受講生がアクティブ・ラーナーとして活動する場面が増えてきました。授業中にディスカッションやプレゼンを行う参加型授業も多く開講され、講義形式が主流であった大学の授業の姿も変わりつつあります。このような傾向の一端がオープンキャンパスでの体験授業やその他の企画からもうかがえるかもしれません。例えばオープンキャンパスの運営をサポートしている先輩学生の対話力にも注目してみて下さい。

体験授業の受講や、アクティブ・ラーナーとして活躍する先輩の姿が、これからの受験勉強の刺激になれば嬉しく思います。

(Y.I)

近現代文学を読む「演習Ⅰ」授業紹介(2017年6月26日) [2017年07月07日(金)]

<授業風景>

今回は、演習形式で近現代文学の作品を読み解いていく授業「演習Ⅰ」をご紹介いたします。
演習とは、教員が講義をする授業とは形式が異なり、学生が主体となるもので、対象のテーマについて調べ、考察した成果を発表する場となります。
そして発表後には、それを聴いていた他の学生との間で質疑応答を行っていくことで、より深い結論を導き出していくことを目標としています。

私が担当している「演習Ⅰ」はテーマが近現代文学のため、毎回比較的短めの小説などを対象に、それぞれのグループが発表しております。
これまで扱ったのは夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、太宰治、安部公房、吉野弘、宮部みゆきなどの作家の作品です(最後に川上弘美の作品をやる予定です)。

発表グループは、まず対象の作品に向き合い、緻密に読解していくために、それぞれで討議しなければならず、そこで得られた知見をレジュメ(発表者が参加者に配布する、発表内容を簡潔に記したものです)としてまとめ上げていくこととなります。

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そうした経験を積み重ねていくことで、徐々に力をつけていくこととなるのですが、この授業におけるもう一つの大きな意義とは、何といっても質疑応答にあります。

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発表グループが一生懸命用意してきたレジュメに対し、他の学生が疑問や、他の読解の可能性をぶつけていく。

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もちろんこれは意地悪でも何でもなく、むしろ、しっかりと準備してきてくれた発表側への敬意でもあり、実際に、レジュメが質量ともに充実していた回の方が、質疑応答は盛り上がる傾向にあります(今回は、序盤のためか、掲載されている写真の段階では、実はまだそこまで質問が出てはいなかったのですが、その後、改めて活発な議論が行われました)。
そしてそうした質疑応答の果てに得られた読解は、結果的に、発表直後よりもはるかに整理され、説得力が増している場合が多いです。

授業では、日本の近現代文学を対象として演習を行っているわけですが、こうした経験は、日常の、または社会の様々な事象に対して疑問を持ち、自ら問いを立てていく姿勢、そしてそのことを周囲と話し合っていく姿勢につながっていくはずです。

それは、現在だけでなく、いつか社会に出た際にも必ず活きてくると思います。

 

(山田夏樹)

百年前の鏡花 [2017年07月06日(木)]

<日文便り>

今回は、私の研究している泉鏡花のことを、宣伝も兼ねて。

泉鏡花は石川県金沢市の生れですが、その生家跡には今、泉鏡花記念館があり、
常時、展覧会を催しています。

今年は「百年前の鏡花 十年毎の鏡花」というテーマで、
「1907 明治40年の鏡花」(5/26~9/24)
「1917 大正6年の鏡花」(9/30~12/3)
「1927 昭和2年の鏡花」(12/9~来年5/13)
それぞれの時期の鏡花の活動を紹介する、という企画があります。
鏡花は、明治・大正・昭和の三代にわたって、旺盛な創作活動をしていたので、
こうした企画が成り立つわけです。

吉田先生ブログ

私はこのうちの、「1917 大正6年の鏡花」の期間中の10月22日(日)に
記念館の文学講座で、「大正時代の鏡花の展望」という題名の講演をすることになっています。
ちょうど「百年前の鏡花」のテーマにあたる時期なので、責任が重いのだけれど、
話そうと思っていることの中心は、多産な泉鏡花の創作活動のうちでも、
この大正時代が、もっとも豊かに作品を送り出していた時期であるということです。
この時期には、「芍薬の歌」(大7・7~12)、「由縁の女」(大8・1~10・2)
の長篇小説と、「夜叉ケ池」(大2・3)「海神別荘」(大2・12)
「天守物語」(大6・9)などの幻想的な戯曲が発表されていて、
鏡花の創作の充実した期間であったことは、疑いないからです。

 

39歳から53歳までのこの時期に、なぜそれが可能だったのか、について
お話ししてみるのが、文学講座の眼目になります。
詳しい話の組み立ては、これから夏休みを使って考えようと思いますが、
確実に言えるのは、この時期、鏡花の文学を迎え入れ、鏡花を支える人々がいた、
ということです。
作家で鏡花を支持し、鏡花に近づいていった人たちは、たとえば、里見弴、
水上瀧太郎、久保田万太郎、これらの作家を知らない人も多いでしょうから、
良く知られた作家で挙げれば、谷崎潤一郎、芥川龍之介などの人たちです。

谷崎と芥川は、大正時代の文学の、いわばアイドルスターですから、
このアイドルが尊敬し、支持する作家として鏡花がクローズアップされ、
また当の鏡花もこれに力を得て、創作に励んだ結果、
「多産」の大正時代が現出したのではないか、というのが、
今のところの私の考えです。

10月までには、もっと説得力のある考えをご披露できれば、と思っている次第。

この鏡花記念館の展示のポスターが、1号館3階のエレベーター前の
掲示板に貼ってありますので、是非ご覧ください。

(吉田昌志)

第36回昭和池田賞優秀賞受賞者インタビュー [2017年07月05日(水)]

<日文便り>

この度、本学科3年のノルド・絵莉華・ナターシャさんが第36回昭和池田賞優秀賞を受賞しました。
ノルドさんは、昨年の第3回産学連携事業「社会スタディ」優秀賞受賞に引き続き2度目の受賞です。
優秀賞受賞、本当におめでとうございます!

ノルドさんに受賞のインタビューをしたので、紹介致します。

 

Q1.昭和池田賞を知ったきっかけ、また、応募しようと思った理由は?

「昭和池田賞」は、昭和女子大学の教育支援センター前に置かれているパンフレットを見て知りました。
懸賞論文を応募するのが2年次の目標だったため応募した次第です。学校という狭い枠に囚われるのではなく、もっと広いところへ目を向けることで自己成長に繋がるのではないかと考えてのことでした。

Q2.様々なテーマのなかで、「日本の伝統文化を考える」を選んだ理由は?

ある授業で、伝統文化が抱える現状について少し聞いていたため、もともと気になっていた話題でした。
授業課題とは別に、自分で勉強してみたいと思い、本などを読んでいたところ、偶然このテーマの懸賞論文を見かけたため、急遽「日本の伝統文化を考える」で応募しました。

Q3.(Q2に続いて)『伝統芸能及び工芸の保持』を取り上げた理由は?

日本のクオリティーが評価され、「爆買い」現象が起きているにも関わらず、
伝統芸能や伝統工芸品が売れていない事実に疑問を持ったためです。伝統工芸を作る方々には売るスキルがないことを知っていたので、販売展開を変えれば、売れるようになるのではないかと考え、今回この話題に決めました。

Q4.論文の執筆にあたり、苦労した点・工夫した点は?

具体的に、どうすれば伝統芸能や伝統工芸が儲けられるかという点を論じてきたため、経済やマーケティングの知識、海外の動き、多くの知識が必要でした。日本語日本文学科ということで、専門外の知識を学ぶ必要があったため、1から勉強するのには非常に苦労しました。しかし、色んな分野を学ぶことで、思わぬところでの結びつきがあり、とても面白くもありました。
 工夫した点は、書籍や論文の他に、新聞やテレビにも目を向けたことです。また、読み手がイメージしやすいような画像の作成・挿入を心がけました。

Q5.昭和池田賞優秀賞を受賞した感想は?また、受賞したことで何か影響はありましたか?

学外でどの程度通用するか分からなかったので、受賞の知らせを聞いた時、非常に嬉しかったです。
また、自分の考えたことが世間へ伝えられることに喜びを感じました。小さな力ですが、発信することで少しでも良い方向に進むことを願っています。
 また、今回受賞したことで、モチベーションが上がり、今後さらに論文を書いて行きたいと思うようになりました。

Q6.最後に、今後の目標や挑戦したいことは?

様々な分野の論文を書き、あるいは多くの体験を通して、幅広い知識を身に付けていきたいです。

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ノルドさん、インタビューにご協力を頂きありがとうございました。
今後の更なるご活躍を楽しみにしています!

日文生の学内・学外での活躍を応援しています(*^^)

 

※「池田昭和賞」とは…
学生論文・昭和池田賞は、公益財団法人昭和池田記念財団の設立5周年を機に、
学生の育英の一環として制定されました。
学生がそれぞれの分野で学問を究め、より広い視野に立ち、磨かれた英知をもって、明日の日本、明日の世界に貢献される願いが込められています。

(YD)

Intensive Japanese ポスター発表 [2017年07月03日(月)]

<キャンパス便り>

昭和女子大学には多くの留学生が在籍しています。
大学に在籍し本学を卒業する留学生もいますが、短期プログラムに参加して
所定の単位を取得する留学生も大勢います。
日本語日本文学科には「日本語」(外国人のための外国語としての日本語)を
担当する先生方がおり、学科としても留学生の支援を行っています。

今回ご紹介するのは、Intensive Japaneseです。
Intensive Japaneseは、日本文化を通して日本語を学習する半年間のプログラム
です。今年度前期は16名の留学生が学んでいます。
6月27日は「伝統文化とポップカルチャー」という題材でポスター発表を行いました。
「浮世絵」「和楽器」「アニソン」「つるし雛」「茶の湯」など、興味や関心が
あるものをテーマとしてグループ毎に調べたことを日本語で発表しました。
ポスター作成以外にも、タブレットで映像を提示したり、音楽を流したり、
あるいは自分たちで作った物を紹介したりと、日本文化を熱心に紹介する様子が
見られました。

プログラムは残り一か月。
日本での生活が実りあるものとなりますように!

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