日本語教育は幅広い分野を扱っています。
今日は介護分野の日本語教育について少しだけご紹介します。
みなさんの周りに介護を必要とする方はいらっしゃるでしょうか。
介護士になる人の数が不足している現在、外国人介護士に期待する声は年々高まっていて
さまざまな政策や制度が作られていますね。
でも、外国から来た人が日本語を使って介護を行うことは簡単ではありません。
ことばのハードル、手の差し伸べ方、声掛けのタイミングなども母国と同じではありません。
毎日書く日誌も日本語で書かなければなりません。
(海外でその国のことばを使って働くことをイメージしてみてください。)
私は外国人介護士の方がどのような仕事をしているのか、どんなコミュニケーションを必要としているのか、ということに関心をもっています。
そしていかに努力を続けているかということにも。
以前、番組にも来てもらいました。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2078018/
(Easy Japanese for Work しごとのにほんご(NHK 国際放送)介護の回♯18(15分番組))
介護施設ではご家族からの贈り物を受けとることはできません。
でもこれからお世話になる施設に手土産を渡したいご家族はいらっしゃいます。
手土産を出されたときにどう言えばいいのでしょうか。
施設で働くベトナム人介護士の方は何と言ったのでしょうか。
実際のロールプレイから、より良いコミュニケーションを考えています。
みなさんだったら何と言いますか?
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/easyjapaneseforwork/skit18.html
(日本語教材・解説)
それからもう一つ。
日本語教育学会という学会では、これからの社会を担う大学生や高校生に
日本語教育の現場や共生社会について知ってもらおうと、一般公開のプログラムを作りました。
11月27日(土)の10時から12時まで「外国人介護労働者のキャリアとことば」
というテーマでシンポジウムが開かれます。
Zoom、しかも無料なので、ぜひ気軽に参加してみてください。
実際の外国人介護士の方も「日本で就労・生活・学習した経験」についてお話します。
キャリア形成についてみなさんが考える上でも参考になると思います。
受け入れた施設の方のお話もあります。
今後の日本社会の縮図が見られるかもしれません。
介護実習に行かれる方、そうでない方もご参加ください。
2021autumn-ippankokai
みなさんが何気なく使っている日本語はひろがりを見せています。
ぜひそれをシンポジウムに参加することで体感してもらいたいと思っています。
近藤彩