ブックリレー第33回

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第33回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回は2年のお2人です👩

①AOさん🍁

こんにちは!
ヴァイオリンが趣味のAOです。毎日30分ほど弾くことで、その滑らかで繊細な音色に癒されています。
今回紹介したい本は、ルーシー・モード・モンゴメリ、村岡花子訳「赤毛のアン —赤毛のアン・シリーズ1―」です。

少女から大人まで幅広い世代に愛される永遠の名作です。
現在、NHKで「アンという名の少女」というドラマで放映されているため、読み返したという方もいらっしゃるかもしれません。

【あらすじ】
ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄弟に引き取られたやせっぽちのアン
初めは戸惑っていた二人も、明るいアンを愛するようになり、
夢のように美しいカナダのプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆく―。
(裏表紙より引用)

この本は、大学の「日本文学概論」という授業で扱われたことで手に取りました。
アンは孤児院からグリン・ゲイブルス<緑の切妻屋根>に初めて訪れたとき、
馬車で通った林檎の白い花の道を「歓喜の白路」と名付けます。
感受性豊かなアンが命名する名前は、詩的で感動と、生命力に溢れています。

「葡萄酒のような、澄んだ紫の夕闇」など、西洋的な比喩表現から、神秘的な光景が目に浮かびます。
日本語の色彩表現の繊細さ、西洋の明確な文章の両方の特徴が合わさった巧みな翻訳と感じられました。

この本の最後にアンは大学に進学しないことに決めますが、学び続けることは諦めません。
困難な出来事があっても、彼女には学ぶ意志が存在し、頭の中の空想の世界は誰にも奪うことはできないこと、
人生には必ず、転機が訪れるため、希望を捨てず、好機が訪れることを信じてやまないという強い意志が伝わってきました。
アンは厳しい現実にいながらも、持ち前の想像力と、転機を逃さない逞しさで乗り越えていきます。

苦しい現実にぶち当たったとき、想像力で現実を愉快に創り変えていきたいときに手に取ってみてください。

次は、コンビニスイーツの期間限定スイーツにはまっているM・Aさん!
よろしくお願いします!

②MAさん

こんにちは!
最近コンビニの期間限定スイーツにハマっているM・Aです!
この前までイチゴフェアで大変ウキウキだったのですが次はなんとバレンタインデーフェア!見逃せません…!!

今回私が紹介する本は宮本輝『泥の河』です。
【あらすじ】
舞台は戦後昭和三十年大阪。
騒然たる昭和橋の一角にある「やなぎ食堂」で育った信雄は、ある日「きっちゃん」と呼ばれる少年・喜一に出会う。
しかし喜一の住むところは廓舟と呼ばれる船の上だった。
河の傍に建っている食堂に住む少年と河に浮かぶ廓舟で暮らす姉弟の出会いと別れを描いた太宰治賞受賞作。

この本と初めて出会ったのは「日本文学Ⅰ(近代A)」という授業がきっかけでした。
この本は『泥の河』という作品と共に『螢川』という芥川賞受賞作も読むことができます。
こちらもオススメなので是非読んでみてください!

「お化け鯉」と呼ぶ大きな鯉がきっかけとなり仲良くなった信雄と喜一。
そして喜一を通して出会った喜一の姉の銀子
仲良くなるにつれて信雄と喜一の思いとは裏腹に価値観や倫理観のズレが浮き彫りとなってきます。

育った環境が違えば友達にはなれないのでしょうか?
価値観も倫理観も考え方も違っていたなら、「お化け鯉」を通して笑いあったあの日々は「友情」とは呼べないのでしょうか…
と、授業が終わった後もふと考える程に印象深く考えさせられる作品でした。

私からの紹介は以上です!機会があれば是非読んでみてください!

次は最近プリンにハマっているY・Sさんです、よろしくお願いします!

(CC)