公開講座の事前インタビューを行いました🎤

10月1日(土)13時10分から、
第10回昭和女子大学日文公開講座「日本語 食うか喰われるか」が行われます。(参加無料)
この世界に色々な食材があり、色々な料理法があるように、日本語学の世界でも料理の仕方は様々です。本講座では、専門を異にする日本語学者3名が「食」という言葉をテーマに歴史・地域・日常というそれぞれの観点から料理対決を行います。
今回は講座の登壇者である、須永哲矢先生・嶺田明美先生・宮嵜由美先生にインタビューしました!

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Q.この講座をどのような人に聞いてもらいたいですか。
A.日本語に限らず、言語はそれを話す人たちの文化を反映しています。 昨今の世界情勢を考えると、自由に日本語を話せること、日本語を探究できることが決して当たり前でないことにあらためて想いを馳せます。 本講座では生きる上で欠かせない「食」について、日本語の視点から、①文化とともにある語とその変遷、②多様な地域社会とそこに根付く文化、③溢れるほどにある現代の伝達手段の中でのささやかな日常、と3つの観点から話を進めます。 様々な世代の方々、様々な文化を背景とする方々、いやそんな実感はないけれど、といった様々なみなさんに足をお運びいただけたらと思います。(宮嵜先生)

Q.普段の講義ではどのようなことを教えていますか。
A.「入門A」では、日本語の歴史、文法の基礎などを概説的に講義しています。「古典文法」では、高校ではいじめみたいな識別問題に使われていた活用形や助動詞について、それらの持つ意味や体系を、言語学的に見つめることを目指しています。「現代語文法」では、正しいか間違いか、という観点からではなく、「文法」としてそのような形式になる論理を考えています。「正しいことを覚える」のではなく、「ここは私も分からないから、どう理論だてたらうまくいくだろうか」と「考える」のがテーマです。(須永先生)

A.「入門B」では、語と意味、位相、音声学などを概説的に講義しています。「日本語学Ⅰ(音声と音韻)」では、日本語の発音の仕組みや音の構造、アクセントの捉え方、音韻の歴史などを講義しています。どちらも講義科目ですが、グループワークなどを通して、自分の意見をまとめることもしています。当たり前のように使っている日本語を客観的に捉えて、内省できるようになってほしいと思います。(嶺田先生)

A.「日本語学(パソコン日本語学入門)」では、講義と実習を通し、言語のビッグデータをテキストマイニングするための設計、分析、レポートとして論理的にまとめるちからを養います。ただし、パソコンに頼るのは技術だけ、あくまで自身で考えるちからが大切です。パソコンに触れるのはあまり…という方も少なくありませんが、今やっていることの意義を明確にし、簡単な操作をどう組み合わせ、いかに自身の分析に合ったかたちに加工していくか。互いに質問し合いながら解決に導くための論理的思考を養うようにしています。
整えたデータから、ある語がどのような意味を持って使用されているのか、辞書の語義記述にも挑戦しています。(宮嵜先生)

Q.日本語学を学ぶ魅力(もしくは面白さ)は何ですか。
A.世界に対する興味と、論理を作ることの面白さ、これに尽きます。よく誤解されるのですが、大学の専門として日本語を学ぶというのは、日本語についての「物知り」を目指しているのではない。自分の根源に関わり、気が付いたときには話せていたはずの日本語が、説明しようとするとわからないことだらけであるということの面白さ。じゃあどうやったら説明できるんだろう、われわれは無意識のうちにどんなシステムを構築しているんだろう、という、ブラックボックスの中身を仮想する面白さ。「内側から鍵のかかっている箱を、外側から開ける遊び」です。(須永先生)

Q.受験生へのメッセージをお願いします。
A.日本語日本文学科は、日本の言語文化を深くときに広く学ぶ学科です。今回、公開講座を担当する日本語学の教員は、それぞれの観点で日本語を研究しています。いろいろなアプローチで日本語を見ることで、今まで考えてこなかったような発見が学生のみなさんもできると思います。学科では、新しい発見とともに「わかった!」を繰り返す体験ができるようなサポートをします。じっくり学びたい人の入学をお待ちしています。(嶺田先生)
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現在も予約受付中となっておりますので、
参加を希望される方は以下よりお申し込みください。
(対面をご希望の場合は、予約人数によって制限させていただく可能性があります。)
https://docs.google.com/forms/d/1n0qSvOja-kZVIARIDIDCBRTK5O55ETRukPKR27QqxK8/edit

皆様のご参加を心よりお待ちしております😊

(UR)