受験生の皆さん、こんにちは。
古典文学担当の山本です。
今日は、日本語日本文学科(日文)の特色ある学びの一つとして、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)との交流活動について紹介します。
日文ではTUJの日本語学科と連携し、それぞれの授業にゲストスピーカーとして参加して意見交換を行ったり、交流活動を推進する日文の学生有志S×Tarsが交流会を企画したりと、様々な交流が行われています。今回はその活動の一環として、10月22日に日文の客員教授である黛まどか先生をお招きし、「Haiku for peace by SWU×TUJ」として、句会を行いました。この「Haiku for peace」は、黛先生の呼びかけで始められた取り組みです。
https://kyoto.haiku819.jp/ja/20220319-1/
学生それぞれが「Peace – 平和」をテーマにした俳句を作り、その句を持ち寄っての句会となりました。
この句会に参加するために、両学の学生は、事前に俳句の作り方を同じ動画で学び、俳句作りに挑戦しました。この指導は、以前本学で俳句の授業を担当されていた槍田良枝先生が行ってくださいました。
今回参加した学生は皆、本格的な俳句を詠むのは初めてでしたが、「平和」と感じる風景、「平和」への思いを込めた句が集まりました。当日は、まず黛先生から俳句の鑑賞についてお話があり、その後、それぞれ選句(よいと思う句を選びます)を行い、披講(選ばれた句を読み上げます)、講評と続きます。句を選んだ理由や句へ込めた思いを話し合いながら、それぞれの句を鑑賞しました。
参加学生からの感想は次の通りです。
〔SWU〕
・俳句を作ることにより、平和について考える良い機会になった。皆の俳句を聞いて、さまざまな考え方を知ることができた。句会の前に交流会があって、TUJの方とも話すことが出来たのでとても楽しかった。
・心に残るとても貴重な体験となりました。句を作った人もそれを鑑賞した人も、句を通してそれぞれが平和への思いを深く考えることができたと思いました。日文生として言葉と向き合い、言葉の力はすごいと改めて感じる良い機会となりました。TUJの学生さんも一緒に、国や文化を超えて俳句という日本の文化を楽しむことができたということがとてもうれしかったです。
・「俳句という日本文化を楽しむ」というコンセプトで行い、句会という形ではなくもっとフラットに俳句をつくること、そして他の人の句の良さを考え、発信できるようになることを目的としたほうが良いのではないか。
〔TUJ〕
・日本語を創造的に使い、日本語を練習し、新しい友達を作る機会となりました。
・It was very nice to be able to meet the students from SWU and I found the entire event very interesting. I felt that I learned a lot from the event and was also able to expand my Japanese vocabulary.
・It was fun to meet other Japanese people and share art together.
・When selecting haikus and then hearing how others interpreted the ones they selected, I realized that even though haikus are very short, they can have infinite meanings.
・I do feel that I have learned about Haikus from this experience. Before this experience, I really had no idea what a Haiku was or how to even make one. Now I understand how to make a Haiku and what goes into making a high quality one.
今回は、伝統的な句会の形での実施でしたが、俳句初心者にとって難しさを感じるところもあったのではないかという意見も寄せられました。TUJ学生の満足度評価は平均4.41点(5点満点)でしたが、今回初めての試みでしたので、この点は、次年度に向けて、参加する学生と話し合いながら進めていきたいと思います。
参加したそれぞれの学生が、平和をテーマにした俳句に向き合い、その句に込められた思いを共有することで、平和を願うひとときであったと感じられました。
会の最後に黛先生から宿題が出されました。
ウクライナの防空壕で創作活動をしている俳句愛好家のウラジスラバ・シモノバさんに今回作った俳句を英訳して届けるというものでした。日文の学生とTUJの学生とが協力してこの宿題を形にしていきたいと思います。
(山本晶子)