中世文学ゼミ風景〜古典研究の魅力👘〜

<学生の声>
みなさん、こんにちは!日文ブログスタッフ3年のM・Yです🦊

今回は、私が所属しているゼミについて紹介したいと思います。
私が所属する山本晶子先生の中世文学ゼミでは、中世(鎌倉・室町)の文学作品や芸能を研究しています。御伽草子や説話集などの文学作品だけでなく、能や狂言といった芸能も研究できるところもこのゼミの魅力です!
ちなみに私は、2年生の時に受講した山本先生の「日本の演劇」という授業がきっかけで日本の芸能に興味を持ち、このゼミに入りたいと思いました。

3年生はまず、古典研究の基礎を学んでいくということで、みんなで一つの作品を研究します。前期は、御伽草子の『藍染川絵巻』と能の「藍染川」を比較し分析するという授業を行いました。それぞれの担当箇所について、漢字や句読点のない文章を自分で読みやすいようにした釈文を作る所から始め、詞章や和歌、絵巻の絵についての分析も行いました。
同じ藍染川でも、登場人物の人柄や展開などの違いが多く見られました。そこから、それぞれの作品は、どのようなことを伝えたかったのかじっくり考えていきました。

注釈書のない作品を一から自分の力で考えて分析するのは非常に大変ではありますが、正確に一つ一つ理解していく力や、登場人物の心情を読み解く力がこの半年間で高まったと思っています。注釈書がないため、何通りにも解釈できる部分も多くあり、どのように考えるのが一番良いかなどそれぞれの意見を交換しました。ゼミのみんなで一つの『藍染川絵巻』を作り上げているような楽しさがありました😊

また、実際に和本や能面などに触れる機会もありました。和本は、実際に手に取ってみることで、その手触りや軽さ、文字の様子など、昔の人がこのような形で本を読んでいたのだということがわかりました。能面は実際に内側から覗いてみると、想像以上に視野が狭く、いかに役者さんが演じることが大変なことかを知ることができました。また、細かい表情や内側の彫った跡など、近くで見る機会がないとわからないところも見ることができました。本物に触れる機会があることで、それが興味を持つきっかけや、研究の大事な材料になるのではないかと思います✨

現在3年生は5人とかなり少人数のゼミですが、その分先生との距離も近く、疑問点や解釈に悩んでいることを親身になって聞いてくださいます。ゼミの雰囲気も穏やかで、自分の考えや疑問などを発信しやすいという少人数ならではのメリットもあります。また、意見交換では、自分では思いつかないような意見を聴くことができ、毎回新たな発見があります。

古典に興味がある方はもちろん、説話に興味がある方、芸能などに興味がある方、比較研究が好きな方等、是非この中世文学ゼミで学んでみませんか?

(日文ブログスタッフ)