ブックリレー第44回

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第44回目です。

日文公式のインスタグラムでは、学科の行事や学生の活躍も随時、アップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

①TKさん

こんにちは!最近コスメ収集にはまっているTKです️ 

今回、私が紹介する本は、綿矢りさ『蹴りたい背中』です!
『蹴りたい背中』は、著者の綿矢さんが最年少の19歳で第130回の芥川賞を受賞した作品です。

【作品のあらすじ】
高校に進学して数か月、主人公の長谷川初実、「ハツ」は未だに周囲と打ち解けられないまま、唯一の中学からの友人である「絹代」とも疎遠気味という状態。そんなある日、「ハツ」は、同じくクラスの余り物の「オリチャン」というモデルの熱狂的なファンである「にな川」と出会い、彼の部屋に招待されたことをきっかけにクラスの余り者同士の奇妙な関係が始まる。

芥川賞に選出された純文学作品というと、一見とてもお堅い文学作品かのように思われがちですが、この作品は一味違います…

オリちゃんというモデルの大ファンの「にな川」、「ハツ」の中学時代の友人、「絹代」を中心にクラス内のスクールカーストや日常が描かれます。クラスで浮いている「ハツ」の主観的な語りで物語は展開していき、口語的な文体で読みやすく、読んでいて「ハツ」の心情に共感できる部分が見つかる作品だと思います

また、私が今回この本で特に紹介したいポイントはこの物語の語り手でもある主人公の「ハツ」の矛盾した語りです。理科の授業中に「さびしさは鳴る。」(頁7 綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出文庫2007.4))と、余り者になって仲間もいないため寂しく暇を持て余しているにもかかわらず、プライドの高さゆえに声が掛けられずに「あなたたちは顕微鏡を見てはしゃいでいるみたいですけど(苦笑)、私はちょっと遠慮しておく、だってもう高校生だし。」(頁7 綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出文庫2007.4))と、周りの人を下に見ることで優位に立とうとする「ハツ」の人間らしい姿が作中では幾度となく描かれます。

「ハツ」は、日常への違和感と不快感、素直になれない気持ちを抱えつつも、彼女なりに低空飛行でも頑張って生きる様が読んでいると応援したくなるんです「ハツ」はひねくれているけど憎めない魅力を持っていて、それがこの物語をより輝かせていると思うのです♫10代の学生の人間関係の描写やスクールカーストなど青春の青臭い部分や苦い部分を「ハツ」を通して味わえるのがこの作品の魅力でもあります!

次は、マスコット好きのNFさんです!よろしくお願いします

②NFさん

こんにちは!マスコットが大好きなNFです。今回私が紹介する本は、東川篤哉『密室の鍵貸します』です!

東川篤哉先生のお名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
東川先生は、ドラマ化もした人気作品、『謎解きはディナーの後で』シリーズを執筆された方です。

そんな東川先生の別作品、『秘密の鍵貸します』は、ミステリーでありながらユーモアたっぷりの作品です。

【あらすじ】
ある日、一人の女性が背中を刺され、四階から突き落とされて亡くなります。
なんとその女性は、主人公であるごく普通の学生、戸村流平を手酷く振った元恋人だったのです!
さらに、その日の夜、共に映画を見ていた先輩も殺害されてしまい…
客観的に見て、流平が犯人としか考えられない状況が完成し、八方塞がりとなった流平は、探偵・鵜飼を頼って事件の真相を調べることに…

この作品は、専門知識を必要とするようなトリックはなく、鋭い人なら自分で真相にたどり着けるかも知れません。ミステリーに興味がある人、謎解きに自信がある人は必見の作品です。
また、ミステリー作品によくある重苦しい雰囲気はあまり見られず、サラッと読める作品です。
純粋にミステリーを楽しむことができます。
登場人物も個性豊かで、とにかく読書が楽しくなる作品です。ぜひ読んでみてください!

次回は、ゲームが趣味のHFさんです。よろしくお願いします。

引き続きブックリレーを更新していくのでお楽しみに😊

(UR)