〈日文便り〉
10月23日は二十四節気の「霜降」でした。霜が降り始め、冬が近づいてくるという時期なわけですが、わたしの目下の悩みは、「いつ衣替えをするべきか」です。秋服からの衣替えではありません。まだ夏の支度が残ったままなのです。夏が長くなった分、春と秋が極端に短くなってしまったとの嘆きをしばしば耳にしますが、今年も少し秋めいたかと思えば何となく暑いような日もあり、という繰り返しで、何を着ればよいのやら、「霜降」を過ぎてなおクローゼットの扉が落ち着きません。
日本最初の勅撰和歌集『古今和歌集』では、四季の歌において、春と秋が上下巻と二巻になっており(夏冬は一巻ずつ)、古来、日本人にとって春秋が贔屓であったことがうかがえます。青空や紅葉が美しく、過ごしやすい気候の秋には、少しでも長くあって欲しいものです。
よく言われる秋の楽しみには、行楽の秋、芸術の秋、スポーツの秋などいろいろあります。わたし個人としてはやはり「食欲の秋」は外せませんが、日本語日本文学科としては「読書の秋」も推したいところです。
10月16日、18日には、学科主催のイベントとしてビブリオバトルの本学予選が行われ、11名のバトラー(発表者)がしのぎを削りました。「ビブリオ」とはラテン語由来で書物を意味し、「ビブリオバトル」は書評合戦のことです。各バトラーは、自分のお薦めの一冊について、5分間でその魅力を語り、その後、バトラーとオーディエンス(観戦者)の投票によって一番読みたくなった一冊「チャンプ本」が選出されます。
このビブリオバトルには日本各地の大学から出場者が集まる、「全国大学ビブリオバトル」という全国大会があります。昨年度に引き続き、今年度も本学がその会場校に決まり、12月に大会が開かれます。本学からも1名が登壇するのですが、その1名を選ぶべく、本学予選が行われ、本学決戦が秋桜祭にて催されるわけです。先の予選の結果、4名のバトラーが本学決戦に駒を進めました。本学決戦は秋桜祭の二日目、11月10日(日曜日)に行われ、4名の中から1名の代表者(全国大会出場者)が選ばれます。
それぞれがお気に入りの一冊を紹介するだけあって、どのバトラーの本も非常に魅力的で、チャンプ本を選ぶのは大変難しいのですが、読みたい一冊に出会えること請け合いです。
秋桜祭ではビブリオバトルの会場、オーロラホールへぜひお越しください。あなたの一票が「昭和女子大学のお薦めの一冊」を決めるかもしれません!!
(鵜飼 祐江)