淑明女子大学(韓国)と「制服」をテーマにディスカッション

<日文便り>

こんにちは。日文の植松です。
12月1日(木)の「サブカルチャー論B」で、淑明女子大学(韓国)の上級日本語クラスと交流授業を実施しました。
サブカルチャー論Bは、日文の中で専門分野の異なる3名(近代文学/日本語学/日本語教育)のそれぞれの専門の立場からサブカルチャーを多角的に理解することを目指す授業です。私の担当回では「日本語教育におけるサブカルチャー」というテーマで、アニメ・マンガを契機として海外からも注目されている「制服」をテーマに取り上げました。

さて、なぜ淑明女子大学と交流することになったかというと…淑明の日本語教員である米澤先生が大学院時代の研究室の後輩だった、というご縁により実現しました(しおりん、ありがとう!)。去年のサブカルチャー論Bではタイのコンケン大学と交流授業を実施したのですが、そのことを報告したところ「来年は是非一緒にやろう!!」ということになりました。夏あたりから何度かオンラインで打ち合わせを実施し、当日の交流でディスカッションが円滑に進むように準備を進めてきました。
タイのコンケン大学との交流授業の様子はこちらをご覧ください!

参加した学生からの感想を、それぞれ3名ずつ紹介します。
≪サブカルチャー論B履修学生 交流授業を通して考えたこと≫
・日本の制服について「可愛い」という印象があると韓国の学生全員が回答した事に驚きました。アニメの影響で日本の制服=セーラー服だと考えていたという学生がいました。また、韓国の制服はデザイン性を重視しているため機能性があまり良くなく、日本の制服が羨ましいと聞き、驚きました。様々な国の文化や物の見方・考え方を知る事で、視野が広がることを実感しました。

・議論の中で、韓国の学生は日本の制服に対してセーラー服のイメージが強かったと知り驚いた。また、日本では制服の価格が問題として上がっているという印象は少なく、ジェンダーレスの制服が最近では議論に上がることが多い。対して、韓国では制服の価格の高さが問題として現れていることを知った。グループ内でも韓国の学生が制服の値段を低くするべきと述べていたり、無償の制服を使用していたと知り、制服着用しての文化はあるが、国によって制服に関する社会問題が異なることに気づいた。また、韓国の制服はタイトなイメージがあるが、背景として有名アイドルや俳優などがタイトな着方をしているが為に韓国の学生の間でそのような着方が浸透しているということが分かった。

・交流を通して印象に残ったことが二つある。 一つ目は、韓国の制服のサイズについての話である。韓国では、女子生徒用の制服のサイズが極端に小さく、さらに、身長が高い生徒や体が大きい生徒に合うサイズは用意されていないという話を聞いて大変驚いた。韓国では、「女子は小さくあるべき」というジェンダー観をなくし、体型の多様性に配慮した制服を作る必要があると感じた。 二つ目は、淑明女子大学の学生も、昭和女子大学の学生も、制服が持つ「経済格差の可視化を防ぐ機能」を高く評価し、「私服を選ぶ手間が省ける」という制服の着用によって得られるメリットに注目している一方で、制服を季節やジェンダーに合わせて選択できないことに対して非常に不満を感じていたことである。制服に対する考え方が似ている国同士で、制服の悪い点を改善した例を共有すれば、双方の国でより早くより良い制服文化を築くことができそうだと思った。

≪淑明女子大学上級日本語クラスの学生 交流授業の感想≫
・昭和女子大学の学生の皆さん、短い時間でしたが制服制度についてお話できて楽しかったです。特別に討論をリードし、討論内容を整理してくださった学生の方に感謝の挨拶を申し上げます。とても心配していましたが、おかげさまでリラックスした気持ちで討論に臨むことができました。足りない日本語を理解しようと熱心に聞いてくださってありがとうございました。今度また機会があれば、他のテーマでお話しできればと思います。

・日本人との交流授業は初めてでしたが、ゆっくり話してもらって私もとても楽に話すことができました。あまり時間がなくて個人的な交流が少なかったのは残念でした。親切な学生の方々のおかげで忘れられない経験になったと思います。もう一度話せる機会があれば、また色々話しながら親しくなりたいです!!

・とても楽しい時間でした。久々に日本人学生と日本語で話して少し緊張しましたが、親切で優しくディスカッションを進めてくださり、楽に話すことができました。しかし、配布された時間が1時間に決まっていて時間に焦ってしまい、ゆっくり話していなかったことが残念です。今後機会があったらまた話したいです!

さて、来年のサブカル論では何をテーマにどこと(誰と)交流授業をしようか…
こういったことを考える時間、知人とのやりとりもまた楽しいものです😄

(植松容子)