〈日文便り〉
みなさんこんにちは!日文ブログスタッフのM・Yです🦊
今回は、人間文化学部長であり、古典文学担当の教授の山本晶子先生へのインタビューの後編をお送りいたします!先生のご趣味や意外なペットのお話等を伺いました🎵
まだ前編を読んでいなかった!という方は、合わせてこちらの記事もチェックしてみてください😊↓↓↓
日文先生インタビュー〜山本先生〜日文公開講座にむけて
★海の生き物について
―お魚や、海の生き物がお好きということで、先生のイチ押しのお魚や海の生き物はいますか?
すごく考えてしまいました(笑)。そもそも釣りが好きというのはゼミの方々や、大学のチャンネルの方でもお話させていただきました。根幹にあるのは魚が好きということで、その中でも、川よりは海の魚が好きです。とは言っても、魚なら本当に何でも見るのが好きです。葛西臨海水族園ではマグロがビュンビュン泳ぎ回っていますが、見たことはありますか?
―私はないです!
ぐるぐる回っていて、なぜここで変わる!?みたいな感じで、突然ヒュッて泳ぐ方向を変えたりするんですよ。あそこは半日いても飽きないです。魚以外で水族館にいると嬉しいのは、色が発光するクラゲです。
山形県の鶴岡市にある賀茂水族館にはカブトクラゲというクラゲがいて、フチのような部分が、とても小さいけれど七色に光るんです。他にも、色がネオンのように変化していくものもいます。この類が水族館にいると探してしまいますね。それはわりと推しかもしれません。
このあたりの水族館であれば新江ノ島水族館などですかね。
―おうちでも、ミナミヌマエビを飼われているのですよね。
そうなんです。こんなに小さいのに、水槽の周りについている苔を一人でむしゃむしゃただひたすら食べていて、ちょっと顔出すとヒュッて逃げたりして。だから絶対に慣れることはないんです。ペットというよりかは、エビの活動をしている様が水面の波紋から見えてきて、今日も元気で生きているな、と思いながらなごんでいます(笑)。
―なるほど、では名前などはないのですね?
そうですね。大きい子がいたな、と思うとそれが卵を産んでいつの間にかいなくなり、そのうちに小さい子がたくさん生まれていたりします。だから、代替わりを繰り返していると思うので、名前をつけるというよりまず識別が難しいです(笑)。
―山本先生なので狂言の太郎冠者や次郎冠者にちなんで、太郎や次郎と名付けているのかと思っていました(笑)。
つけてみたいですね(笑)。もう少しわかるように、赤い子がいたり青い子がいたりしてくれたらいいですけどね。残念ながらそうではないんです。
★狂言と日常生活のつながり
―お魚がお好きというところから、狂言の『魚説経』※を思い出しました。
なるほど、あれは本当によく作られた曲だなと思います。それこそ、クラゲの名前も入っていますね。生タコって言ったらタコを思い出すというように、あの時代の人たちもそうやって魚の名前を聞きながら思い出して、ここはこの魚にしているんだ、みたいに楽しんでいたのかなと思います。
狂言は日常生活を描くものであるから、意外にも中世の食べ物が色々な形で描かれているんですよ。日常というのは、現代の日常にも通ずるところがある一方で、まさに中世の、室町の時代の生活を描いています。狂言の中には様々な食べ物が登場します。
あの「魚説経」は、お経自体もある程度わかってないと難しいんですけどね。そのうえで、なんか魚の名前入っていたな、というので楽しむことができます。魚関係であれば「盆山」は、鯛の鳴き声をさせるという「柿山伏」に似たお話です。鯛は鳴かないので、思わず「タイタイ」と言ってしまいます。この曲は、盆栽を盗みに来た盗人のお話なのですが、知り合いの家に入ってしまいます。狂言の登場人物たちは、面白い人が多いですよね。このように、室町時代の人たちも生活に密着しているからこその面白さというものを感じていたのかもしれませんね。
―狂言を観ることで当時の生活までうかがえるというのが、すごく面白いですね!
そうですね。狂言は、それを演じることで残してきた、一種のタイムカプセル状態という風にも言えるのではないかなと思います。それを言うならば、歌もそうですね。狂言や能の中の歌にはその時代の流行歌謡が取り込まれています。それを手掛かりにして、このような歌だったのかなということは考えられますよね。
歌もそうですが、当然その中で描かれるドラマが室町時代のものですからね。そういう意味では色々なものを引き出していくことができるドラマじゃないかなと思いますね。
ゼミや今年の馬瀬狂言プロジェクトのことなど、日文の学びに関するところから、海の生き物が好きで、エビを飼っていらっしゃるという知られざる一面まで知ることができたインタビューでした!山本先生とお話するといつも色々な話題が次々と生まれ、楽しくなってたくさんお話してしまいます(笑)。
実は今回のご趣味の中で、相撲やお祭り、ライブカメラのお話なども候補に挙げてくださっていました!興味のある方はぜひ、山本先生に声をかけてみてはいかがでしょうか😊
山本先生、ありがとうございました✨
※「魚説経」…漁師を辞めて僧になった人物が、説経を頼まれ、魚の名前を連ねて誤魔化そうとするという内容。
※このインタビューは、2024年6月に行ったものです。
(M・Y)