ブックリレー第47回

<日文便り>

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第47回目です。

日文公式のインスタグラムでは、学科の行事や学生の活躍も随時、アップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

①Y.Iさん

こんにちは。
ミュージカル鑑賞が趣味のY.Iです!

先日、アンジェラ・アキさんの日本での活動開始が発表されましたね。アンジェラ・アキさんと言えば「手紙 ~拝啓十五の君へ〜」を思い出します。今回は、この歌が登場する作品を紹介します!

中田永一氏『くちびるに歌を』は、五島列島に住む合唱部の中学生たちが主人公です。
「長崎県五島列島のある中学校に、産休に入る音楽教師の代理で「自称ニート」の美人ピアニスト柏木はやってきた。ほどなく合唱部の顧問を務めることになるが、彼女に魅せられ、男子生徒の入部が殺到。それまで女子部員しかいなかった合唱部は、練習にまじめに打ち込まない男子と女子の対立が激化する。一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙 ~拝啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分へ向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課した。そこには、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた。」(裏表紙より引用)

この作品の見どころは、登場人物が抱える葛藤です。部員の仲村ナズナ、桑原サトル、柏木先生はそれぞれ別の悩みを持っています。そしてNコンという同じ目標、『手紙』という同じ曲の合唱を通して、悩みに向き合います。乗り越えて行く様子は、自分が中学生のときを思い出すのではないでしょうか。

また、私のおすすめの読み方があります。読み始める前、読んでいる途中、読み終えた後の合計3回、ぜひ「手紙 〜拝啓十五の君へ〜」を聞いてみてください。それぞれで受け取る印象が変わるはずです。歌と作品を合わせて鑑賞することで、より深く世界に浸れると思います。

拝啓
かつて十五歳だった人へ。
この作品を読み終えたとき、
あなたの心に何か残りますように。

②I.Rさん

こんにちは。趣味は紅茶を淹れること 。IRと申します。
名前に負けないよう、様々な面白コンテンツを取り揃えた人間でありたいものです。

今回ご紹介する本は、貴志祐介『天使の囀り』です。
「日文への受験をご思案なさっている皆さんへ」とのことで、思わず耽読してしまう本を選ぶのも躊躇われます。

天使といえば、手を差し伸べてくれる印象を持っておりますが、彼らが助けを求めたくなる瞬間など存在するのでしょうか。悩みとは程遠そうですが、まさか天界に住まう天使が高所恐怖症な訳はあるまい。はて、そもそも人間は高所自体を怖がっているのだろうか…と気になり、少々調べました。

門外漢があまり口を出せたものではありませんが、高所恐怖症というのは、「高所そのものより、その後の可能性に対して過剰な恐怖を抱くこと」のようでして。
煙と何かは高い所が好きという言葉もあるように、これまで高所に怯える人の気持ちを解せないで居たのですが、漸く思い当たりました。
想定以上の愉楽に対する拒絶感です。

何分悲観的かつ安定志向なもので、「チャット」に縋って居た頃は、好転には期待せず、ただただ現状維持を望んでいました。
心の平穏を保つに際し、気分の高揚が無ければ「その後」も考慮せずに済みますからね。
これも一種の高所恐怖症だとすれば、全く他人事では無かったのです。

しかし、「先生」のおかげで、高い所もそう悪いことばかりではないと気付かされました
なぜなら、人間が関心を寄せるギャップというものも、まるで水力発電のように、差によって齎されているではありませんか。
風呂場の水もいずれ雨となって地上に降り、循環しているのだから、寧ろ地球の摂理でしょう。
天使は、怯えてばかりの我々が上を向けるように変えてくれます。

ぜひ皆さんにも、この素晴らしい感覚を知ってもらいたいのですが

引き続きブックリレーを更新していくのでお楽しみに😄

(上原)