情報資源組織演習B(分類)の授業紹介

〈授業紹介〉

司書科目を担当している田中です。
今回は「情報資源組織演習B(分類)」の授業紹介をします。

この科目は、司書資格を取るうえで欠かせない必修科目です。
ある程度の基礎を学んだあとに受講するもので、演習形式で行います。そのため、先に理論科目である「図書館情報資源概論」を受講しておく必要があります。

授業名にもある「分類」とは、図書館で本を整理するための大切な仕組みのひとつです。
利用者が目的の資料を探しやすくするため、また図書館が大量の蔵書を体系的に管理するために使われます。
つまり、「分類」は司書の仕事に欠かせない基本技術であり、世界中の図書館で司書とは切っても切り離せないものです。

日本の図書館では、主に「分類記号」と「件名」という2つの方法を使っていますが、今回は授業の第2回で行っている「分類作業の手順」について紹介します。

写真1は、ある本の分類記号を求めている途中の場面です。ここでは日本語の本(和書)を対象に、分類のルールブック「日本十進分類法(NDC)」の使い方を説明しています。
本が「何について書かれているか」を表すキーワードを見つけ、分類の辞書にあたる「相関索引」を使っておおまかな分類記号を探しているシーンです。

NDCは日本のほとんどの図書館で使われている標準的な分類法です。
本体はA4サイズの2冊組で少し重いですが、演習室に備え付けてあるので学生が持ち歩く必要はありません(写真2)。

 

この授業では、解説や演習問題を通して、「図書館に就職してすぐに困らないレベル」の実践力を身につけることを目指します。
分類の仕事は経験を積むほど上達するもので、私の勤務していた図書館では次のように段階を踏んでいました。
1年目:和書(日本語の本)を担当
2年目:洋書(主に英語)を担当
3年目:書籍以外の形態の資料を担当しつつ新人の指導
この段階を終えてようやく一人前とされていました。
新人のころは誰でも先輩から「大学で何を勉強してきたんだ!」と叱られるものですが、
この授業でしっかり練習すれば、「新人ならこのくらいできれば十分かな」と言ってもらえる力をつけることができます。
司書を目指す皆さん、後日教室でお目にかかりましょう。

*日本十進分類法(NDC)は日本図書館協会による出版物

(田中均)