〈日文便り〉
こんにちは! 日文ブログスタッフ1年のM🐕🌻です。
後期から日文ブログスタッフメンバーに加入しました。本記事が初の執筆となります。
大学に入学して9か月が経ち、ようやく学校生活に慣れてきたかなと思います。
そういえば、ちょうど一年前のこの頃、私の大学受験は、複雑な形で長期戦に持ち込まれることが確定してしまい……😿
「よし、次行こう!」と明るく切り替えてはいましたが、同時になんとも言えない複雑な気持ちを抱えていたことを思い出します。
(このことについては、機会があれば大学受験体験記として執筆したいと思っております。)
そんな時に、愛読していた小説があります。
負の感情や悪い何かが一瞬で浄化されるようで、何度も読み返しては心を温め、頑張るエネルギーと希望をもらいました💪私の受験生ライフを支えたと言っても過言ではないと思います。
今回はその小説をご紹介させていただきます! 年末年始のお供にもオススメです。
『つめたいよるに』江國香織 新潮文庫 1996

この本は短編集で、今回ご紹介するのは一番始めのお話「デューク」です。
前日に愛犬を亡くし悲嘆に暮れる女性が、電車で不思議な少年と出会い、二人で様々な場所を巡る一日を描いた物語です。
序盤の独白からは、大切な存在を亡くした主人公の苦しさが、痛いほどに伝わってきます。
この時点でもう号泣と共感のオンパレードです。
しかしその後、不思議な出会いから始まる一日は、とても不思議で温かいもので、主人公は束の間の楽しい時間を過ごします。
訪れる場所の一風変わった点も相まって、どこか冒険のような高揚感があります。個人的に、ここが読んでいて一番ワクワクするところです😊✨
そして終盤、辺りが薄暗くなってからの場面も必見です!
私は初めて読んだ時、驚きと感動のあまり心の中で変な叫び声を上げました。
いつでも何度でも、私はこの小説を読み返すたびに、今生きているこの世界が一回り美しくかけがえのないものに見えます。受験生だったあの時、もう少し頑張ろうという気持ちと未来への希望が湧いてきましたし、大学生になった今も力をもらっています。
まだ読んだことがない方は、このお話の時期に近い、年末年始の読書にいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
(M🐕🌻)