2021年9月13日学長ブログ

■近代文化研究所について

昭和女子大学には7つの研究所がありますが、なかでも最も古い伝統をもつ近代文化研究所について紹介したいと思います。近代文化研究所は本学創立50周年を記念して1970年(昭和45年)に設立されました。これを記念して翌年『近代日本食物史』や『近代日本服装史』が刊行されました。また、本学創立者 人見圓吉先生の企画立案で日本近代文化の発展に功績のある394名の文学者の業績を調査研究し収録した『近代文学研究叢書』が光葉会(当時の卒業生・在学生・教職員の全体組織)から刊行されていましたが、これ以降近代文化研究所から発行されるようになりました。この叢書刊行事業は1958年 (昭和33年)に菊池寛賞を受賞しています。現在は、日本の近代文化として文学に留まらず、衣食住の視点も含めて学際的な研究を行う研究所となっており、また、大学紀要の『学苑』を編集発行する等、本学の叡智を社会に発信する役割を担っています。
本学の教員を主体とする近代文化研究所の研究員は、日本の近代化に寄与した個人・集団、モノ、書籍・雑誌などをテーマとした研究を進め、その成果を『近代文化研究叢書』として刊行しています。また、研究所の研究テーマに関する研究者や専門家を囲み、年に数回「所員勉強会」を開催しています。
昨年10月には「ブックレット近代文化研究叢書」として「『ドヤ街』から読む『あしたのジョー』」(日本語日本文学科 山田夏樹著)が、そして、今年3月には「国会議事堂の誕生 仮議事堂からの5代にわたる建築史(1886~1936)」(環境デザイン学科 堀内正昭著)が刊行されました。今年7月にオンラインで開催された公開シンポジウム「今なぜ『あしたのジョー』か」では、山田夏樹先生とパネリストとの間でマニアックで深いディスカッションが展開され、一度も原作マンガを読んだことがない私も興味深く視聴しました。また、このテーマについて、自らの知見や考えを語る登壇者の方々の表情から、研究に対する興味や意欲、ワクワク感が視聴するこちら側にも伝わってきたのが楽しく印象的でした。


7月17日に開催されたシンポジウムのポスター

近年、近代文化研究所では本学図書館に保管されている貴重書の調査プロジェクトが本格的に始まり、さらに世田谷に関連のある作家の調査プロジェクトも始まっていると聞いています。
今まで学内で静かに活動されてきた感のある研究所ですが、「近代文化」のテーマのもと、より多くの学内外の人々の興味を惹きつけるポテンシャルを持つ研究所だと考えています。これからもたくさん情報を発信し、注目を浴びてほしいと願っています。

<関連リンク>
・近代文化研究所の紹介はこちらをご覧ください。