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2011年4月から6月まで13回にわたってNHKラジオで「働くということ」というシリーズを担当し、そのテキストをまとめていただきました。それから12年余りがたち、今ふりかえってみると収録している時期に東日本大震災が起こったのは忘れられない思い出です。この12年の間に「働くということ」をめぐる状況と価値観・考え方がすっかり変わりました。(中略)
しかしその前提として古い日本型の働き方の限界が明らかになり、新しい「働き方」の在り方が見えない2011年当時の状況を把握することは今後の日本人の働き方を考えるうえで有意義だと思います。当時の状況と課題を働き方という観点からつづったこの冊子を新装版として出版していただけることになったのは望外の喜びです。
まさにOnly Yesterday というべきバブル崩壊から大震災前の時期の「働くということ」をめぐる状況を見ていただければ幸いです。(本書より)
新装版 初版2023年11月1日
A5判/180ページ
第1章 現代日本で働くということ
第2章 誰が人と社会を支えるか――公共性を考える
第3章 稼ぐだけが目的か――勤労倫理を考える
第4章 職業人に必要な力とは――エンプロイアビリティを考える
第5章 給料はどう決まるか――所得とその分配を考える
第6章 法律があれば平等か――女性の労働を考える
第7章 貧しいのは自己責任か――格差と失業を考える
第8章 高齢社会を支えるのは誰か――高齢就労を考える
第9章 食を担うのは誰か――農業労働を考える
第10章 地球はフラットなのか――グローバル化を考える
第11章 リーダーとマネージャーとプロフェッショナル
第12章 ダイバーシティとワークライフバランス
第13章 新しい働き方を求めて