紅白梅図

尾形光琳の紅白梅図屏風を知ってますか。イメージが頭に浮かびますか。もし知らなかったら、入学までに美術全集で確認しておくこと。

その屏風が金箔を貼って描かれたか、金泥で箔のように似せて描かれたか、は5年前と昨年の大きなニュースでした。新聞の学芸欄を見ている学生は気が付いているでしょう。分析を担当した自然科学の専門家の意見が分かれたのです。皆さんは科学的な調査分析が行われれば、すべて結論は1つだと思っているかも知れませんが、実際は必ずしも壮ではありません。その様子が紅白梅図屏風の分析で一般の人びとにも知られることとなったんたのです。

私はその紙について意見を求められ、観察の結果日本製の紙だと結論しましたが、もう一人の紙の専門家は中国紙の可能性が高い、というのです。結論を出すために採用した観察事実も観察方法が異なれば違う意見になる可能性があるということです。本当は種類の異なる観察方法でも、結論が同じになるのが信頼性の高い情報を得ることになるのですが。

今日はここまで。

増田勝彦