この春から歴文にやってまいりました松田忍と申します。千葉先生のあとを受けて、近現代の日本史を担当いたします。昨年度も「日本近現代史」を1コマ講義していたのでご存知のかたもいらっしゃるかもしれません。改めましてよろしくお願いいたします。
さて早速ですが歴文のみなさんにごあいさつ代わりに問題です。日々しっかりと語学を勉強している皆さんなら当然次のことばの意味はわかりますよね?
Moods cashy
………
え?わからないですか?ではヒント。声に出して読んでみましょう。
……
まだダメですか?うーん、二つ目のヒントです。
Moods cashy — diffcult
………
仕方ないですねぇ。最終ヒントですよ。
Moods cashy(ムーズ・カシィ)—difficult
………
これでわかりましたよね?正解はMoods Cashy=「難しい」でした。ダジャレかいなと怒らないでください・・・。このことばが生み出されたのは今から約150年前。幕末の横浜で日本人相手に商売していた外国人が、なんとかして日本語の発音を真似しようとして、「むずかしい」という読みに「Moods cashy」という文字をあてはめて覚えようとしていたんですよというのが今回の話です。彼らがそこまでして頑張ったのは日本人相手にひと儲けしてやろうという野心からだったかもしれないですが、人と人がつながろうとして一生懸命になっていたことが分かるエピソードですよね。ちなみにこの話は服部之総(はっとり しそう)という歴史学者が『黒船前後・志士と経済』(岩波文庫)という本の中で紹介しています。
じゃあTodie marは分かりますか?答えは本を手に取ってみるか、もしくは松田まで。簡単すぎたかもしれませんね。
最後に皆様にメッセージです。
外国語がMoods cashyから日本語だけで卒論を書ける日本近現代史を取ります、とはいわないでください。だって・・・ ニホンシモ トッテモ Moods cashy !?ですから。でもMoods cashyさを超えたところに面白さが待っているのは、他の学問と同じです。一緒に頑張っていきましょう!!