刀の鍔

今日は、日曜日だけど博物館の展覧会準備で大学に来ています。

机の上には、刀の鍔が重しとして置いてあります。岩山の上と下で獅子が向かい合って吠えています。山には花が咲いています。獅子に付き物の花と言えばボタンでしょう。部分的には金も使われていて、薄肉彫りで形が表現されている、凝った造りです。まあ、文様などが有る鍔を美術品として見ることには誰でも納得するでしょうが、何の飾りもない刀の本体が、日本では美術品として扱われているし、現在でも作られているのは、世界中でもかなり珍しいことです。他の国の美術的な刀には必ず素晴らしい装飾が施されているのです。殺人の道具を美術品扱いするとは、日本文化って変だなー、とドイツの新聞に書かれたことが有るそうです。ドイツで日本の武士にかかわる展覧会をしたときのことです。
昨日のブログで自己紹介をしていませんでした。私は、増田勝彦と申します。文化財保存分野を担当しています。