暗号解読 ――ロゼッタストーンから量子暗号まで

こんにちは、松田忍です。

先日の授業で紹介して好評だった本、『暗号解読 ――ロゼッタストーンから量子暗号まで』を今日は紹介します。

我々人間は生きているうちに、本当にたくさんの情報を他の人とやりとりします。ただ、ある人がある人に送るメッセージというのは、紙に書かれていたり、有線や無線で飛び交ったり、なんらかのメディアに載せて届けられるわけですから、情報漏洩の危険性はつねにあるわけです。それが「今晩の夕食なに?」「すき焼きだよ」みたいな他愛もないやり取りなら問題はないわけですが、困る場合もあるわけですよね。たとえば戦争を戦っている相手に軍事機密がもれたり、レジスタンス活動が時の政府に感づかれ一網打尽にされたり、そして(切実な問題として?)道ならぬ恋がバレて泥沼の危機を迎えたり。

そうした事態を避けるために人類は暗号を生み出すことになります。

しかし暗号というのは生み出された瞬間、暗号解読者の挑戦をうけることになります。

日本近現代史の授業をしていても、ミッドウェー海戦の話題などに登場する暗号というのは学生のみなさんの興味を引く話なんですよね。 今日紹介するのはそうした暗号作成者と暗号解読者の熱きバトルの歴史を描いた本です。

どんな内容ですかって?↓↓↓↓↓↓な内容です。

  • 僕たちの間では「L」を「A」に、「O」を「C」に、「V」を「X」に、「E」を「Y」って具合に、アルファベットを別のアルファベットに置きかえて書くルールを作ろうよ。たとえば「LOVE」は「ACXY」っていう感じにね。そうすると他の人には絶対読めないよね?2人だけの秘密だよheart04

お熱いところ申し訳ございませんが、それ、読まれてますよ!!

どうやって??答えはこの本に!!

  • 第一次大戦に負けたドイツは、次こそは情報戦で劣勢に立たされないために暗号機エニグマを開発します。その脅威の暗号作成メカニズムとは?そしてエニグマがつむぎだす暗号の解読に果敢に挑戦し始めた国はイギリスでも、フランスでも、アメリカでも、ソ連でもない。果たしてどこの国なのか?

↑暗号解読をめぐる息詰まる歴史がそこに!答えはこの本に!!

  • ネットの時代に作られた暗号は理論的には解けても実用的には解読できない。それってどういうこと?

↑数学と暗号との密接な関係とは?答えはこの本に!!

10年以上前の本ですが、充分今でも楽しめますよ。実は昭和女子大学図書館にも入っています。是非読んでみて下さい。

サイモン・シン著、青木薫訳『暗号解読 ――ロゼッタストーンから量子暗号まで』(新潮社、2001年)