男の子の名前

古代エジプトを軸に、古代オリエント地域の歴史・文化を勉強している吉成です。

 ワールドカップ・ブラジル大会FIFA2014Brasilは閉会しましたが、ここで問題です。ブラジルのセンターバックの1人ルイス、スペインのフォワード ビジヤ、ミッドフィールダー シルバ、この3選手に共通していることは何でしょう。答えは元イングランド代表「貴公子」ベッカムにもあてはまります。

 

 

 

 

答えは三人ともダビドという名前だということ。

ベッカムはデイビッドですが、これも同じと考えます。つまり、それらの元は紀元前1000年頃のイスラエル王ダビデだからです。ちなみにディビーという名も同様です。ダビデと言うとミケランジェロの大理石像が思い浮かぶでしょうが、あれは王になる以前の若い時にペリシテ人のゴリアテとの闘いに臨む姿を表していると言われています。この闘いのエピソードに感動して息子にダビデの名をつける親が多いということでしょう。王に選出されたあと亡命してペリシテ軍の武将をしてヘブロンに進駐した際に、ユダの人々から信任され王位につき、イスラエルの信任も得て、統一王国の王になったとされます。しかし、王位に即いてからのダビデの行状には問題があります。ある夕暮れ、バテシバという名の美しい人妻が水浴びをしているのを見た彼は、強引に自分のものとすると、さらにバテシバの夫を激しい戦いの最前線に出し、軍隊は退却して夫だけを残して討死させる様司令官に指示しており、その通り夫は戦死します。晴れてバテシバを自分の家に召し入れ、二人の間には男の子が生まれますが、主の怒りに触れて病気になり死にます。その後生まれたのがソロモンです。こうした行状を知るとダビデという名をつけるのはどうかと考えるのではないかと思われますが、実際はそうでもない様です。

英雄色を好むのは万国共通の観念なのでしょうか。ちなみにFIFA(フィファ)というのはフランス語Fédération Internationale de Football Association「国際サッカー連盟」のことです。サッカーの正式名はassociation footballと言い、associationの略語がsoccerとなったとされます。ちなみに慶応大学はソッカー部という表記を使っています。