磯江毅展の見どころ

 残暑お見舞い申し上げます。西洋美術史を担当しています木下亮です。
 現在、練馬区立美術館で特別展「磯江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才」が開催中です。磯江は大阪出身の日本人ですが、30年余りスペインで制作を続けた写実の画家です。私は8月6日に展覧会を見に行きましたが、NHKの「日曜美術館」や新聞で紹介されたせいか、結構たくさんの人が来ていました。
  
 
  磯江が遺した80点あまりの静物画や裸婦像からは、目の前にある事物の本質を徹底的に描きだそうとした画家の厳しい制作の姿勢が感じられます。私は30年前にマドリードで偶然に知り合った磯江が、このようなかたちで東京で紹介されるという巡り合わせに戸惑いながらも、多くの人にこの展覧会を知ってもらいたいという強い願いを持っています。
 さて卒業生や在学生の皆さんで、金曜3限に開講されている「伝統文化の現場」で、画家の諏訪敦さんや石黒賢一郎さんにデッサンの授業を受けた人がいらっしゃるはず。2人とも磯江毅と交流のあった画家で、8月20日と9月3日にそれぞれギャラリートークをおこないます。
 磯江毅の展覧会、機会があったらぜひ見に行ってください。