こんにちは、松田忍です。
「ネットでオープンキャンパス!~昭和女子の歴文ってどんな学科?~ その5」です。
これが最終回となります。
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歴文生はなにを学ぶか?~Cさんの場合~
小野寺:みんなはさ、今は2年生だけど今年の4月からゼミに入って、それぞれの専攻分野を深めていくことになるんだよね。やりたいことを定めていく遍歴ってどんな感じだったんですか?
C:私はもともと西洋美術史に興味があったんですよ。でも1年前期必修の歴史文化基礎(基礎ゼミ)の担当の先生がたまたま関口靜雄先生(仏教文化史)になって。で、うち実家がお寺なんですけど、お寺のことなんかを雑談しているうちに、よく話すようになりました。そのうち翻刻しなきゃいけない仏教関連の史料が、関口先生からどばっと送られてきたんですよ。
D:翻刻って?
A:くずし字なんかの手書きで書かれた史料を活字に書き直すことだよ。
C:で、やり始めてみると翻刻作業自体も楽しいし、書かれている内容にも興味を持つようになって。
松田:西洋美術史から仏教文化史って大転換だよね。
C:はい。で、関口先生のメールアドレス登録で、私の名前のまえに「(ゼ)」って、ゼミ生マークがつけられているのをみて、これはもう関口ゼミに入るしかないと笑
松田:あははは。
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歴文生はなにを学ぶか?~Eさんの場合~
小野寺:Eさんは?
E:私は入学した時は、人々の暮らしを民俗学で考えていくっていうことをやってみたかったんですよね。
松田:ふむふむ。
E:それで民俗学系の授業もとって、すごく勉強は楽しかったんですが、民俗学は生涯学習っぽく、ずっと自分で勉強し続けていったらいいかなぁと思うようになって、卒論としては日本近現代史で書くほうに気持ちが傾いてきました。
小野寺:どういうこと?
E:卒論って人生にとって大事なものじゃないですか?
小野寺・松田:おお~、真面目だね~。
E:私の家は沖縄がルーツなんですが、沖縄のことを日本近現代史として勉強しておきたいという気持ちが強くなってきて。あと歴史を暗記することは得意ではなかったんですけれども、大学の歴史学は暗記をそれほど求めないんだなぁと思って、歴史もありかなとも思いました。いまでも日本史自体は苦手意識があるんですけど、でも好きです。
松田:まとめると、良き師(=日本近現代史担当の松田)との出会いが、Eさんの方向性を決めたと。
小野寺:(冷静に→)言ってない言ってない。Eさん、一言たりともそんなこと言ってない。
ALL:(笑)
松田:いやー、自分が勉強している分野を、真っ直ぐな気持ちで勉強したいといってくれる学生がいると、嬉しくなって、照れくさくって、ついつい茶化しちゃうんです。Eさん、ごめんなさい。。。
E:いえいえ笑
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歴文生はなにを学ぶか?~Aさんの場合~
松田:じゃ、次はAさん。
A:私は民俗学の大谷津先生のゼミに入ろうと思っています。もともとは大河ドラマなどのメディアで、漠然と日本史に興味があって、歴文に入学したんです。戦国時代に興味がありましたが、椎葉巡見に参加して、事前準備の議論とか、フィールドワークの報告書などをつくっているうちに、民俗学をやりたい!って気持ちが一気に強くなりました。
松田:椎葉巡見に参加して、民俗学の楽しさを知り、大谷津ゼミへ、という一つの流れが出来つつあるよね。やはりフィールドワークというのは抜群の楽しさがあるんだろうね。
B:そういう学生、たくさんいますよね!
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歴文生はなにを学ぶか?~Bさんの場合~
松田:そういうBさんも民俗学か、日本史かですごく迷っているんだよね。
B:はい。もともと入学時は幕末史をやりたかったんですよ。でも幕末に関しては、細かいところまで調べ尽くされている感じがして、新しいことできるのかなぁ、って思ったところから迷走してます。
小野寺:どういう分野で迷っているんですか?
B:2年前期には、民俗学か、日本史の江戸時代かなーって漠然と思ってたんですけれど、2年の後期に15週間のボストン留学を経験して、また気持ちが変わりました。
小野寺:どんな経験だったの?
B:はい。もともとはアメリカ人の友達作りたいなぁ~くらいの気持ちで参加したんですが・・・笑
松田:出来たの?
B:はい!出来ました。で、ボストンの街などを実際に歩いてみて、ほんとに、ほんとに、ほんとに、自由だな~っていうのをすごく感じたんですね。
A:3回も言った笑
B:なんか働いている人もだら~っとした感じで自由に働いているし、街角のあっちこっちで、チュッチュ、チュッチュしてるし笑 日本だと外国の人をみること自体それほど多くはなくて、歩いているのはだいたい日本人という感覚だったのですが、アメリカはヨーロッパ系の人、アフリカ系の人、アジア系の人がまざりあって、ごくごく普通に生活していて、こんな場所が存在するんだ!というのにすごく驚いたんです。
松田:なるほど。
B:で、そのままアメリカ文化を研究してもいいんですけれど、それよりも、こんなすごい国と日本は深く関わりあってきて、戦争までしたんだなぁというのを改めて考えたんです。そうしたときに近現代の日米関係を日本史から勉強したいなぁという気持ちが強まってきています。
松田:まぁ、ゼミについては、3年前期の履修登録のときまでに決めればいいから、それまで悩もう。松田ゼミ来るのなら、ウェルカムよ!
B:はい、ありがとうございます!しっかり考えます。
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歴文生はなにを学ぶか?~Dさんの場合~
松田:最後、Dさんは西洋史の小野寺ゼミに決めてるんだよね。
D:私はもともと西洋のことをなにかやりたいっていう感じで入学しました。西洋史でもいいし、西洋美術史でもいいなぁって。
松田:ふむふむ。
D:それで小野寺先生の授業をいろいろとって、西洋史やりたいっていう気持ちが固まりました。
松田:小野寺先生の授業もたくさんあると思うけど、特にどの授業?
D:西洋史特論ですね。概説で学ぶのではなくて、ナショナリズムの問題を「女らしさ」の変容を絡めながら考える、とか、「ホロコースト」を「ふつうの人々」がどう支えたかを考える、とか、テーマを区切ることで、歴史ってこんなに深く学べるんだ、考えられるんだという面白さを知りました。
小野寺:Dさんに限らず、みんなやりたいテーマが「もわっとした感じ」で入学してきて、そして授業を含めて色々な経験を積むなかで、専攻分野を固めていくということはもっと対外的にもアピールした方がいいですよね。
松田:ですね。歴文はコース制をとっていないので、幅広い授業をとるなかで自分のテーマを考えていくことができますからね。歴文は、ゼミの人数制限がなく、学びたいことを学べるというのも大きいかなと思います。
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「手で考え、足で見よう」
松田:昭和女子大学の歴史文化学科では、学科創設以来「手で考え、足で見よう」というキーワードを掲げてやってきていますが、みんなしっくりくる?
A:私はうまく表現できていると思います。
E:歴文らしさがよく伝わるワードですね。手と足がどっちだったか、分からなくなることがありますが笑
C:ただ授業を聞いてるだけじゃなくて、実技を伴った授業が多いのも歴文の魅力だと思います。関口先生のご担当の文献取扱技能基礎で古文書の裏打ちをやったり。
松田:裏打ちは楽しそうだよね。しかも単に裏打ちの実習だけじゃなくて、書かれている内容までくずし字辞典と首っ引きで読み解くという・・・
C:はい!同じ授業2回取っても単位は出ないんですけど、それでも関口先生と一緒に古文書読むのが面白くて、2年連続受講する学生もわりといますよ。
松田:文化財保存修復学基礎というのもあるね、武田先生の。それと、伝統文化の現場か。そういや年末に「伝統文化の現場で、正月のしめ縄飾りをつくったから、先生にあげます」ってもってきた学生がいてさ、「おお、ありがとう!」ってもらいかけたけど、なにか不穏な空気を感じてよくみたら、めっちゃ、ミカンがカビちゃってるの笑 そういういたずらには困ったもんだ。4年ゼミ生のIさん、ここ見てるか?君だ、君のことだ笑
ALL:(笑)
A:もちろんさっき挙げた、椎葉巡見もそうだし。私はいってないけど、諏訪原遺跡の考古学発掘調査に参加している学生も多いですよね。
松田:このメンバーは発掘参加者はいないのが残念。発掘までできる女子大ってほかにないんじゃないかな? あと発掘っていっても考古学だけじゃないからね。手前味噌だけど、松田も歴史史料が発掘される現場に、みなさんに立ち会ってもらいたくて、史料整理会を継続して開いています。安積得也関係文書整理会や被団協文書整理会。今日のメンバーでも参加したことあるの5人中4人?みなさん好奇心もってお手伝いしてくれるよね。
B:留学中、被団協文書整理会お休みしましたが、またこの2月~3月から復帰しますよ!
松田:おぅ、待ってるよ!Bさんは文書整理にとてもハマっちゃった感じだね。あとは菊池先生が企画をたてているベトナム考古学調査とか、木下先生や小野寺先生が関わっているヨーロッパ研修、さらにはゼミ旅行や各種研修旅行・・・。並べてみると、もう盛りだくさん。ちょっとこれはあとで整理して紹介した方がいいね。まずはキャンパスで学び、それをもとにして、学生を外に連れだそうという意識がものすごく強い学科とはいえるんじゃないかな。
ALL:そうですね~
A:だいたい、みんな、なにがしか掛け持ちで実習に関わっている感じだよね。
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歴文生像?
松田:最後に歴文生像について。受験生自身もそうだし、親御さんにとっても、歴文がどういう場所なのか、馴染める場所なのか、成長できる場所なのか、っていうのが、かなり関心のあるところだと思うんだよね。公式キーワードとしては「手で考え、足で見る」というのがあって、それがみんなにしっくりきているっていうのはさっき話したことでわかるけど、別の言葉で伝えるとどうなるだろう?
A:自分で考え、自分で動くって感じかなー。
E:やさしい居場所のような気がするね。
C:むずかしいですねー。
小野寺:学生の気質としては、真面目で、派手ではなくて。利益とか単位で釣られて動くのではないというのを感じるかなぁ。やりたいことをやるという感じです。だいたいさ、こんな座談会だって、別に協力したからっていって、なにも見返りあるわけじゃないのに頼まれれば、すっと集まってくれる感じですかね。
松田:ああ、オープンキャンパスとか、下級生から上級生への相談会なんてのも声をかければ、本当に積極的に参加する学生が多い感じはありますね。見返りねぇ。あ・・・机のうえのお菓子はご自由にお召し上がりください。僕のじゃなくて小野寺先生のお菓子だけど笑
E:いただきまーす笑
小野寺:どうぞどうぞ。そういう見返りはあるか。
松田:僕の目から見ると、20歳前後の年代って、他人から見える自分像と自分で考える自分像がものすごくずれていて、やたら尊大になったり、やたら卑屈になったりすることがありがちにように思うんだけど、歴文生には自己イメージが他者からのイメージと、ピッタリしている感じの学生が多いように思いますね。
B:等身大の自分?
A:素直ってことですか?
松田:素直といえばそうなのかなぁ。でも、なんだろう。「絶対この学生の力になってやりたい」「この学生は絶対伸びるぞ!」っていう学生が本当に多い気がする。素直に受けとめて、考えて、伸びてくれるから。だから先生方も一生懸命指導するっていう好循環が生まれているんじゃないかな。とても活気のある学科だと思う。ま、歴文にもいろいろな学生がいるから、平均値で語ったってあんまり意味がないんだけどね。歴文についてのイメージをうまく伝えるのは難しいよね。・・・あえて無茶振りしよう。歴文を食べ物にたとえると?笑
ALL:うーん・・・
D:たい焼きってのはどうですか?
ALL:たい焼き!?
松田:なんか、型にはめられてるやん?たい焼きって笑
D:えーーと、そうじゃなくって、じゃあ、クロワッサンたい焼き。
ALL:クロワッサンたい焼き!?
D:なんか昔からある形で、すごく安心するんだけど、素材は新しくっていろいろとチャレンジしてる!みたいな。
ALL:おおー、なるほど!
松田:三茶にクロワッサンたい焼きのお店あるよね?
A:え?あったっけ?
B・E:あるある、駅をちょっと超えたところ。
松田:今度歴文だと思いながら食べてみよう笑
ALL:(笑)
松田:お、なんかうまくまとまったのか!?ということで、そろそろ、このあたりで「ネットでオープンキャンパス」の座談会、お開きってことにしようか。みんなありがとね!
小野寺:ありがとうございました。
ALL:ありがとうございましたー!
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「ネットでオープンキャンパス」企画いかがでしたでしょうか?
昭和女子大学の歴史文化学科の雰囲気、感じていただけましたか?
語り残したことを含めて、全体を整理して、もう一回記事をアップしようかなと思っております。
そちらも是非ご参考になさって下さいませ。
それでは!