こんにちは、環境考古学を担当している佐々木です。
歴史文化学科3年生野本紗英里さんほかのポスター発表が日本植生史学会で「優秀発表賞」に選ばれました。
2018年11月11日(日)、第33回日本植生史学会大会が滋賀県立琵琶湖博物館で開かれました。
一般研究発表(口頭・ポスター)では「武田氏館跡にみる中世の植物利用」という題目で、発掘調査で見つかった炭化物層を水洗して得られた炭化種子と、文献に残る穀物などの記録を比較して発表してもらいました。武田館跡は16世紀前半に2度の火災が発生しており、炭化物層はそのどちらかで焼失したもので構成されていると考えられています。イネが多かったのですが、オオムギ、アワなどの穀類に混じって、文献には見られないエンドウ属やワタ、エゴマなども確認されました。
土壌を水洗したり、炭化種子を同定する方法は「環境考古学」の授業で勉強したことを生かして取り組んでもらいました。また、甲府市教育委員会の佐々木満さんにお世話になり、武田氏館跡の発掘調査区を訪れてお話しを聞き、文献調査をさせてもらいました。
ポスター発表の前には2分間で自分のポスターの内容をアピールするポスターフラッシュがあります。ここでも大勢の研究者の前で堂々と解説できていました。ポスターの発表時間には次々とポスターを見に来てくれる方に解説しました。
植生史の手法と文献の情報をミックスさせた研究方法や、野本さんのしっかりした発表が評価されたのではないかと思います。
その結果、優秀発表賞をいただくことに!
野本さんは学会で発表したことを元に卒業論文にも取り組む予定です。ポスターは現在、7号館7階の菊池先生の研究室前に貼ってあります。
学会に行くと、発表を聞くだけでなく、研究者や他大学の学生さんと話しをすることができ、大学とはまた違った勉強になります。授業で学んだことを生かして発表してみたい方は環境考古学を受講してみてくださいね。