卒業論文は、心理学科での4年間の勉学の集大成というべきもので、心理学科では必修となっています。心理学を学ぶなかで自分が興味をもったテーマについて、関連する先行研究の論文をレビューし、どのような問題を設定できるかを検討し、研究目的を立てます。そして研究目的を検討するために妥当な研究方法(質問紙調査法や心理実験法、面接法など)を検討します。研究方法が決定したら、質問紙調査や心理実験や面接を実施し、データを取ります。そして、得られたデータを分析します。量的データの場合、統計的なデータ解析法によって分析します。それらの結果を先行研究の知見を参考に考察します。これらの一連の研究は、各教員別に少人数に分かれる、3年次の心理学基礎演習と4年次の各領域の演習の2年間のゼミを通して行います。心理学の理論については心理学の各専門科目、研究方法については心理統計法、データ解析実習など、心理学科の専門科目の全体を学んだ上でなければ、卒業論文は書けません。そういう意味で、卒業論文は心理学科での4年間の勉学の集大成なのです。
3年次の心理学基礎演習の開始時は、卒論で自分は何をやりたいのか、そもそも心理学の研究はどのようにやっていくのか、よくわからない状態から出発します。そこから2年間かけて、本日の発表会で成果を発表できるまでに仕上げていきます。教員の指導もありますが、基本的には自分で考え、自分で勉強し、自分で研究を実施し、分析し、まとめるのです。この経験を通して、みんな大きく成長します。卒業後、どの進路に進むにせよ、卒業論文を書き上げた経験は、大きな財産になっていることと思います。今日の発表会でも、実にバラエティーに富んださまざまなテーマの研究が発表されました。卒論発表会を無事終えて、いよいよ4年生は心理学科を巣立っていくことになります。
文責:島谷まき子