授業紹介「非行臨床心理学」

こんにちは。心理学科4年の西村です。今日は「非行臨床心理学」の授業紹介をします。

この授業は、非行に関する法学、社会学、心理学などの主要な理論を学ぶことで、非行をとらえるための多面的視点を身につけることを目的としています。また、非行に関わる諸機関の役割や、それらの機関における心理職の仕事など、臨床心理学の立場からの非行少年への心理的アプローチについても理解を深めていきます。

 

 

今日の授業では、東京保護観察所保護観察官の田島薫さんをゲストスピーカーに迎え、お話を伺いました。保護観察官は、法務省の機関の一つである保護観察所に勤務し更生保護行政の第一線で活躍している国家公務員です。犯罪をした人や非行のある少年が、再犯・再非行をせずに、社会の一員として更生するように、保護司と協働して指導や援助を行っています。保護観察官は全国で約1000人、保護司は約48,000人います。

 

 

保護観察における面接では、犯罪をした人にその経緯を聞き、家庭環境や対人関係など、犯罪に至るまでの様々な要因を本人に気付かせることが重要となること、生活の詳細や本人の気持ちを確認しながら、より良い生活を築く力を伸ばしていること、様々な問題を抱え、それが犯罪や非行というかたちで現れてきた人自身を知ろうとする姿勢が大切であること、を伺いました。

 

 

保護観察官は、「医学,心理学,教育学,社会学その他の更生保護に関する専門的知識に基づき…」とされているように、心理学の学びと大きく関わる職業です。今日の講義では、実体験も交えてのお話を聞くことができました。また、犯罪をした人や非行のある少年に対して、保護観察官をはじめ多くの人々が関わって支援をしているとわかりました。

保護観察官の仕事は、様々な問題を抱えている人々に寄り添い支えていく、やりがいのあるものなのだと感じました。自分の持っている枠にとらわれず、その人自身を知ろうとする姿勢は、日常生活でも必要なことだと思いました。

(4年 西村)