2015年度特殊研究講座

心理学科特殊研究講座が10月24日(土)に実施されました。
この講座は、学外の先生をお招きして最先端の心理学研究についてお話を伺うもので、年に1回開催されます。

今回は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食認知科学ユニット 心理・行動科学グループ 主任研究員 の和田有史先生をお招きして、「おいしさの心理学」をテーマにご講演いただきました。
和田先生は、実験心理学の手法を用いて「おいしさ」に関わるさまざまな研究をされています。

 

 

まず、「なぜ、こころを実験で探るのか?」という問いについてお話がありました。
盲点の体験などを通して、精神や理性というものが身体や意識を完全にコントロールしているのではないことを理解し、実験によってこころの働きを探る意義を実感しました。

 

 ↑ 盲点の体験中

 

さらに、鼻をつまんでチョコレートを食べてみる体験を通して、おいしさは味覚だけでなく五感の情報を統合して感じているということも理解しました。

 

↑ 鼻をつまんでチョコレートを食べています

 

今回初めて特殊研究講座に参加した1年生に感想を聞いてみました。

こんにちは、1Bの中對です。
私は、嫌いな食べ物を食べるとき、鼻をつまんで食べるとよいと聞いたことがあり、それを信じていなかったのですが、今回鼻をつまんでチョコレートを食べてみたら、本当に味がなくなったのでとてもおもしろいと思いました。また、同じ食品でもブランドロゴがある方が、ない方よりもおいしく感じられるという研究結果に驚きました。リスク認知についても、知識の有無だけでなく人によってさまざまな判断がなされることを知り、人の感覚は実はあまり頼りに出来ないものなのかと思いました。そう思うと、少し不安になりましたが、もっと詳しく人のこころについて知りたいと思いました。

他の学年の学生からは、すでに授業で学んだ心理学の知識とも関連させて、興味深く講義を受講できたという感想もありました。
また,「シナモン」「バニラ」「ライム」の香りを一度に嗅ぐと「コーラ」の香りになるという体験もあり,驚きの声があがっていました。

五感を駆使して心理学的に「おいしさ」について学ぶことができた貴重な90分でした。

(木村あやの)