2024年度 優秀卒業論文『物語広告の効果―物語内容および主人公の影響―』

皆さんは物語広告（advertising narratives）をご存知でしょうか？

物語広告とは「問題解決に従事する登場人物が存在し、一連の出来事や行動の結果が描かれている広告」（Escalas, 1998, p. 273）と定義され、例えば以下のようなCMなどが該当します。

先行研究では、女性は親子や恋人の愛情など情緒的な結びつき、男性ではサクセスストーリーや他者の努力する姿にそれぞれ感情移入をする傾向がありました。

そこで、感情に訴えかける物語の広告効果にも、性差があるのではないかと考えました💡

研究では、大学生を対象に、「性別」、「広告の主人公の性別」によって、

• 購買意欲：商品を購入したい／サービスを利用したい
• 共感：広告で描かれている物語に共感できるか
• 広告評価：広告そのものへの評価（例：この広告は魅力的だ）
• 企業評価：広告を出している企業への評価（例：この会社に魅力を感じる）

は異なるのか検討を行いました。

Escalas, Jennifer Edson (1998). “Advertising narratives: What are they and how do they work?” Representing Consumers: Voices, Views, and Visions (pp. 267―289). Routledge

最初ははっきりとこれがやりたい！というテーマが見つからなく、悩んでいました。

あるとき、最近の広告には物語（ストーリー）性があり、感動を喚起するものが多いことに気がつきました💡

このような感情に訴えかける物語広告と消費者心理の関連を研究しようと思いました。

検討したいこと以外の要素がなるべく同じ広告を探すことが一番大変でした💦

探し出した広告の中で、性別、広告テーマ（家族愛・努力達成）がある程度揃っているかを確かめるために、予備実験を行うなどじっくりと準備しました💪

人の心理を研究する分野には、社会心理学や認知心理学などさまざまなものがあり、日常生活のあらゆる出来事が対象なります。

心理学科では自分の疑問や興味を持ったところから研究することができます！

みなさんぜひ昭和女子大学心理学科で楽しく心理学を学びましょう！