2024年度 優秀卒業論文『男性性被害者に対する第三者の評価―伝統的な性役割態度が与える影響―』

「性被害者が男性である場合に、第三者はどのような評価を行うのか」を研究テーマとしました。

研究では、評価そのものだけでなく、男性の性被害者に対する評価（非難等）に影響する第三者の心理的特性も検討しました。

※伝統的性役割態度（traditional sex role attitudes）…性別ごとにふさわしいとみなされる社会的期待の中でも、「男性は仕事をして、女性は家事育児する」といったものは特に伝統的性役割と呼ばれ、このような区分けに対する好意的／非好意的な反応および評価を伝統的性役割態度と呼ぶ。

性犯罪の被害者が受ける2次被害（被害に遭った後、周囲の人の対応によって傷つけられてしまうこと）について関心を持っていました。

詳しく調べていく中で、男性の性被害者は一定数存在するのにもかかわらず、ほとんどの先行研究が「被害者が女性であること」を前提に進められていることに気がつきました。

そこで「被害者が男性」である場合の研究を行うことで、男性性被害者への理解や2次被害防止に貢献できるのではないかと思い、今回の研究テーマにしました。

「性被害」はとても繊細なテーマであることから、常に調査協力者の負担を考え、倫理的視点に配慮して研究を進めました。

特にシナリオの作成では、過去の性犯罪に関するニュースや新聞記事を入念にリサーチしました。

その上で、調査対象者が理解でき、かつ調査協力者を傷つけることがない内容になるよう試行錯誤しました。

既に興味がある心理学の分野がある人は、とことん追求することができます🙌

もちろん、まだ興味がある分野が見つかっていない人でも、心理学科では幅広い領域を学ぶことができるので、研究テーマは必ず見つかります✨️

4年間の学びの中で、自分の関心のあるものを見つけ、楽しんで学んでください！