スクールカラー

 夏らしい空が見られるようになりました。これから秋の終わりまで、晴れた日の空を見上げるのが楽しみです。夏は朝方、秋は夕方近くが良いでしょうか。青空を眺めていると、すごくスカッとした気持ちになりますよね。
 
 上空が高気圧に覆われると、空が晴れます。日本では、夏は太平洋側から、秋は大陸側から高気圧が移動してくるのだそうで、海洋で生まれた高気圧よりも大陸で生まれた高気圧の方が空気中に含まれる水蒸気の量が少なく、より高い上空からブルーの散乱光が地上に降り注ぐのだそうです。そのため、夏に比べると秋は、「空高く…」と言われるように、より空が高く感じられ、鮮明な青い空が広がっているように見えるのですね。 
 
(大学1号館9階から見る新宿方面の空)
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 昭和のスクールカラーがブルーであることは、皆さんもご存じのことと思います。『広辞苑』でblueにあたる日本語の「青」の意味を調べてみました。「色の名。三原色の一つで、晴れた空のような色。藍 (あい) 系統の色から、黄みを加えた緑系統の色までを総称する」と書かれています。「青色」といってもかなり幅が広そうです。「日本の色(伝統色・和色)Traditional Colors of Japan」には日本の青空だけでも428色も並んでいます。
 
 人類の祖先が誕生した頃、多くの動物が今もそうであるように、黒と白、つまり明るいか暗いかしか認知していなかったとのこと。人が最初に認知した有彩色は「青」と言われているのだそうです。おもしろいことに、はじめのうちは、青は単に「暗い色」としか認識されず、そのため同様に黒に近い色として認識されていた「緑」との区別をするようになったのはずっと後のこととなったそうです。また、ブルーは「憂鬱」という意味で使われることもあり、暗い色のイメージも残っているようです。
 
 昭和のスクールカラーは、校旗の色がもともとの出どころです。自分が実際に見えている色と、他の人が見えている色は比べようがないので、どんな色なのかの説明は難しいのですが、昭和のスクールカラーは、校旗の地の色と同じ「スカイブルー」です。日本語では空色(そらいろ)。空色は、晴天時の空の色を示す明るく淡い青色のことで青と白の中間色を指しています。
 
(式典で掲げられた「校旗」)
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 「空」は「天」の意味も表します。「天」は「おおぞら」を表すと同時に、「天・地・人」のように用いられる「天」の意味、すなわち天地・万物を支配するものを表し、また、それらを支配する理法も表しています。このように考えると、校旗やスクールカラーのライトブルーは、地球やそこに住む人々を見下ろす高いところにある、万物を支配する道理を示しているとも考えられます。「真理の追究のために高みを目指して進もう」という、私たちの精進の姿の象徴と言えるのではないでしょうか。
 
 爽やかな空の色は、世界的に見ても一番人気が高い色とのこと。そして、青には冷静さを取り戻す心理効果があり、実際に青を見ると心拍数が下がるのだそうです。何かで怒りがこみあげてきた時には、是非、スクールカラーのスカイブルーを思い出すといいですね。