中国の日本語教育事情―新世紀以来の発展と課題― [2018年06月21日(木)]

先週の土曜日に言語教育・コミュニケーション専攻主催で以下の外部講師講演会が行われました。

■題目:中国の日本語教育事情―新世紀以来の発展と課題―
■講師:曹大峰北京外国語大学教授

曹大峰先生は40年以上に渡って中国の日本語教育の変遷をつぶさに見てこられた方です。
今回のご講演では、特に新世紀以降大きな変化を遂げる中国の大学教育の中で、拡大を続ける日本語教育に関する実態調査の結果を報告され、そこから見出される課題として、以下を指摘されました。

(1)教育の質には様々な問題があり地域差が目立つこと。
(2)教師の専門能力と教育能力には不足と不均衡があること。
(3)理論と実践を結ぶ教育研究が不足していること。
(4)研究研修活動のネットワーク化と成果共有が不足していること。

その上で今後は「量より質」を目指す視点が重要だとされました。
中国の大学の日本語教員のほとんどが修士あるいは博士の学位を持つようになり、若い学位保持者も多く輩出されて教員採用の競争も激しくなる中で、(従来から大勢を占めてきた文学や言語学の専門性ではなく)教育面に焦点を当てた「日本語教育学」の専門性を持つ人材を育成することの重要性についても述べられました。
本学大学院の中国人留学生にとっても、またその指導に当たる教員にとっても示唆に富むお話を聞くことができました。