【外部講師講演会:子どもの第二言語習得研究と第二言語教育】 [2019年06月10日(月)]

【外部講師講演会:子どもの第二言語習得研究と第二言語教育】

6月8日(土)に以下の講演会が行われました。本学大学院生、教員のほか、外部からの参加者も多くあり、合計25名がご講演を聞きました。

■題目:子どもの第二言語習得研究と第二言語教育ー習得開始年齢に焦点を当ててー
■講師:西川朋美お茶の水女子大学准教授

「人間には言語を習得するのに適した時期(=年齢)があり、その時期を過ぎると、言語習得が難しくなる」という仮説があり、「臨界期仮説」と呼ばれていま言語の習得における臨界期仮説を研究のテーマとされています。ご講演では、第二言語習得の臨界期を追求する代表的な先行研究、また西川先生ご自身が日本語を第二言語とする子どもたちを対象に行った研究について、その調査方法とともにわかりやすく紹介されました。そうした研究の蓄積に基づいて、子どもはその言語が日常的に話される環境にあれば大人より簡単に第二言語を習得し、習得開始年齢が低ければ低いほど有利であることが示されました。しかし、習得開始年齢が低くても、必ず母語話者のような言語能力レベルに達するとは限らず、年齢が低いほうが「無条件に」有利ではないことを指摘されました。また、子どもの第二言語教育を考える際のヒントとして、子どもだから問題なく第二言語が習得できるわけではないと認識すべきことを話されました。さらに、日本における英語教育のように、学習時間も目標言語との接触も限られた環境では、習得開始年齢が低いほうが有利であるとは限らないことを示す研究結果についても触れられました。日本の学校教育における外国人児童生徒への対応、また小学校からの英語教育における課題などを考える上で大変示唆に富むご講演でした。

<引用文献>西川朋美(2018)「子どもの第二言語習得研究と日本語教育ーJSLの子どもと対象とした研究と実践への道しるべー」『子どもの日本語教育研究』第1号, 38-60.