大学院附属の生活心理研究所では,毎年度研究紀要を発刊しています。
今回,大学院附属の生活心理研究所が発行している研究紀要の最新号に,2022年度修士課程心理学専攻修了生・小山 愛未さんの修士論文の研究をまとめたものが掲載されました。
小山 愛未・本多ハワード 素子(2023).嫉妬時の敵意対象の選択ー三者関係における検討ー 昭和女子大学生活心理研究所紀要26, 11-23
紀要論文の掲載に際して,小山さんに論文の内容や研究テーマの決め方などをインタビューしました💁♀
心理学専攻への進学を検討されている方にとって,大学院の研究活動の紹介になれば幸いです💡
仕事内容は主に認知症やうつ病などに関する心理的アセスメントとして心理検査を担当しています。その他にも、勤務先の研究の一環でZoomを用いたオンラインカウンセリングなども行っています。
嫉妬は愛を深めることに役立つ感情ですが、相手を傷つける可能性がある敵意のような攻撃性も含まれます。
嫉妬のメカニズムを検討することで、嫉妬する人がどのようなことを感じているのか理解することで、嫉妬感情や敵意への対処方法を考えられるのではないかと思いました。
研究では場面想定法※を用いました。研究目的に合わせて差が出るようにシナリオを作成することが大変でした💦
また、セクシュアル・マイノリティの文脈も考慮し、異性愛前提と受け取られないようにシナリオを作成しました。
(日本心理学会の「心理学における多様性尊重のガイドライン」に則っています)
このように研究に必要なシナリオ作成のプロセスそのものを通じ、人間関係の複雑さを改めて認識することができ、それ自体が私にとって大きな学びとなりました。
※場面想定法( vignette experiment )…シナリオ法とも呼ばれる。本研究のような,恋愛関係における嫉妬感情など実験室で行うことが難しい場面についてビネット(シナリオ)を読んでもらい,その場面に自分がいると想定して,その時の考えや感情,行動などについて回答してもらうことで回答者の心理的な傾向を測定する方法。
大学院は興味関心のあることをより集中して学べるだけでなく、実習や授業を通じてさまざまな人と深く関われる貴重な場所です。
大学院に入学した際には、院生生活をぜひ楽しんでいただければと思います。