2024年度に本学心理学専攻(修士課程)を修了し、現在は博士後期課程の生活機構学専攻に在学中の冨岡美良さんの研究論文が、国際学術誌「Sleep and Biological Rhythms」に掲載されました。
著者:Mira Tomioka, Yusuke Matsunaga, Kazumi Ota, Tadashi Endo, Kanako Ichikura, Yuko Fukase, Hirokuni Tagaya & Norio Murayama
今回、冨岡さんに研究内容や論文として発表した感想について、紙面インタビューを行いました💁🏻♀️
「睡眠不足によってメンタルヘルスにどのような悪影響が生じるか?」(⇔十分な睡眠をとることでどのようないい影響が生じるか?)というテーマを中心に研究しています。
日本人(特に女子大学生)は睡眠時間が短いことが報告されており、臨床心理学の立場から「睡眠」や「メンタルヘルス」について研究することに関心を寄せています🤔
本研究では、日本の大学生を対象に、睡眠の総合的な質、レジリエンス*、ハーディネス*が、過去2~3日間のストレス反応にどの程度影響するかを検討しました。
以前に同じ雑誌に掲載された先行研究(Tomioka et al., 2023)では、女子大学生だけを対象に、睡眠とレジリエンス、ストレスの関係について検討しています。
2022年度に本学心理学科を卒業し、現在、本学心理学専攻(修士課程)に在学中の冨岡美良さんの研究が、国際学術誌「Sleep and Biological Rhythms」に掲載されました。 著者:Mira Tomioka, Yusuk[…]
本研究では、ストレス研究で着目されているハーディネス*の概念を加えるとともに、全国の複数の大学を対象(男子大学生を含む)に調査を行いました。これによって、日本の大学生のメンタルヘルスについて睡眠の観点から改善策や予防策を考えるための一助になると思っています。
*レジリエンス(回復力)…「一時的に不適応状態に陥ったとしても、それを乗り越え健康な状態へと回復していく力」(齊藤・岡安, 2009)
*ハーディネス(強靭性)…「高ストレス下で健康を保っている人々が持つ性格特性」(Kobasa, 1979)
論文執筆から投稿に至るまで、容易ではありませんでした。日頃よりご指導くださる村山先生をはじめ、多くの先生方にお力添えいただき、得られた結果だと思っております。
心理師として、心理臨床の現場で様々な悩みを抱えた方を対象に心理的に援助するだけでなく、研究を通して社会や支援を必要する方々に貢献できる一助となれるように、今後も精進していきたいと思っております。
学部よりも、より専門的な視点から心理学を学ぶことができる修士課程の2年間は、大変実りある時間でした。
正直、課題や論文の執筆に追われて目的を見失いそうになる時も多々ありましたが、先生方や切磋琢磨し合える友人に恵まれ、修了することができました。
忙しいときこそ「睡眠」を大切に、自分を労りながら過ごしてくださいね😊
(生活機構学専攻・博士後期課程1年 冨岡美良)