日 時:平成27年4月22日(水)15:30~16:30
場 所:学園本部館3階 大会議室
講 師:井原奉明 教務部長(英語コミュニケーション学科 教授)
テーマ:「アクティブラーニングとピアラーニング ~学習時間増加と理解定着へ向けての試み~」
参加人数:84名
本学におけるアクティブラーニング、ピアラーニングの実施例について、教務部長である井原奉明教授に講演いただいた。
まず井原教授の目指す「良い」授業についての確認があった。それは大きく2つの目標からなる。ひとつは学生に勉強(行動)しようと思わせ、勉強(行動)させる授業、そして身につけた力を自分のため、人のために活用する人を育てる授業とし、もうひとつは自立した学習者・努力する人を育てる授業とする。これらの具体的前提として9項目をあげて説明された。(履修者との信頼感「良い」雰囲気づくり/伝達スキル(視線、声の大きさ・高さ・速さ・質、表情等)/90分の中にメリハリ(緩急の並みをつくる)/熱意(立った姿勢でダイナミックに)/学生に対して学習目的を明確化(行動の意味づけ+目標志向態度の育成)/適切な高さのハードル(難易度)設定/わかりやすさ/「なぜ?」「どうして?」という質問を引き出す/手許資料にはなるべく目を落とさない。)
後半は井原教授が実際に行っている実践例を3つ紹介いただいた。
実践例1は反転授業・アクティブラーニング・ピアラーニングを組み合わせたものであり、事前に学習させた内容が授業に役立つことを認識させつつ、応用や発展問題を与え進化させることが必要であるとする。グループワークの教室環境や欠席者への対応などにおいて問題点もあるがその解決方法も試行している。受講した学生からは学習時間の増加や理解の定着度においてよい評価を得られている。
実践例2はアクティブラーニングとピアラーニングを導入し、質問と回答のいずれも学生が行うという授業である。学生が考えた質問に対して「○○(人物)役」になった学生が回答するというもので学生からは「とても面白かった」「他人の頭になりきって考えるのは大変だったけど自分の身になったと思う」といったコメントが寄せられた。
実践例3はアクティブラーニングを用いて授業の要約・参考書・講義資料づくりを行わせるもので、哲学の文章を制限字数で要約させ「内容」と「ロジック」について対話させる、あるいは用語集・練習問題を作成させPowerpointデータと解説スクリプトをつくらせたものである。受講した学生からは「哲学をもっと勉強したくなった。」「毎回の授業も課題も、これぞ大学の授業って感じです。」といったコメントがあった。
約50分の講演後、会場から質問を受け付けた。それらは実践例3の内容で要約づくりの際に「資料のことばを使わない(本文中の語句を切り貼りさせない)こと、「たとえば」という比喩をなるべく使わせないということに対するより詳しい説明を求めるもの、そして授業時学生から質問を出させる工夫について問うものであった。
以上