みなさん、こんにちは!今日は福祉社会学科福祉キャリアコースの必修科目、「福祉キャリア論」のご紹介です。
12月12日には、東京都北区十条で「子育てママ応援塾ほっこり~の」を起業・経営されている内海千津子さんをゲストスピーカーにお招きしました。
実は、内海さんは本学英米文学科(現英語コミュニケーション学科)の卒業生です。
講義の前半は大学卒業後、民間企業勤務、フリースクールの英語教師などの職を経て、現在の「ほっこり~の」の事業を起ち上げるまでのお話。
そして後半は、事業に携わっておられる利用者兼スタッフの方お二人のお話を交えての事業内容説明でした。
子育て中のお母さんたちが抱きやすい育児の悩みや孤独感、世間から置いて行かれているのではないかという不安感・焦燥感…。引っ越してきたばかりで顔見知りがいない中で、小さなことでも気軽に打ち解けて話せる仲間がほしい…。子どものことで手一杯で気が付けば髪も肌も爪もボロボロ…疲労困憊状態で気持ちもふさぎがち…新しいことにチャレンジする気力も湧かない…。
このような困りごとやニーズを解消しようと、赤ちゃん連れOKのネイルやマッサージサロンの経営とファイナンシャルプランナーなどの資格取得講座(こちらももちろん赤ちゃん連れOK。託児無料)の事業ををはじめたところ、次々と人の輪が広がっていき、行政や企業からの支援も受けられるようになっていったとのこと。2013年には北区のコミュニティ・ビジネス賞も受賞されました!
「サービスがなければつくればいい!」という開拓者精神には学生たちも強い感銘を受けたようです(別の機会に伺ったところこのような精神は学生時代のボストン留学のときに培われたそうです)。
以下、学生たちの感想をいくつかご紹介します。
今回の講義を聞いて、内海さんが運営している「ほっこり~の」の具体的な活動や、子育て中のママさんたちが抱えている悩みや不安などについて知ることができました。内海さんがフリースクール教員時代に感じた「居場所の大切さ」というものは、子育て中の女性にとってはすごく必要であり、欠かせないものだと思いました。内海さんご自身が抱えていたニーズが他の女性も同じく抱えていたニーズと一緒であり、ニーズの共同化・共有化ができていることは、経営を行ったり、組織を運営したりしていく上ではすごく大切なことだと思います。私の住んでいる区にもそのようなニーズをもっている女性は多いと思うので、これからこのような場所が広がっていってほしいと思います。(H.Hさん)
今までの領域とはちがう「起業家」の方の話を聞いて、こういうところからの働きかけもあるんだなと思った。専業主婦からの起業ということで、起業に至るまでの苦労話や心情について「本当に不安だった」と率直にお話しくださって、起業することについて、自分とは全く関係のない素質をもった方々がするものだというイメージから、もっと身近なものというイメージに変わった。実際に、お母さん方の本音も聞けて育児の大変さなども知ることができ、将来についての学びを得ることもできた。虐待が増え、その加害者が育児の悩みを1人で抱え込んでいる母親であるという悲しい現実があるが、ほっこり~ののように母親が子どもと一緒にリラックスできる場所があるだけで、少しでも改善できると強く思った。日本の親子のためにこのような場所は必要であり、今後もっと増やしていくべきだと思った。(S.Hさん)
ほっこり~のでは、社会で本当に必要とされているニーズに応える活動だということがわかった。子育て中のお母さん同士が集まれる場所を提供することはとても良いことだと思った。子育てを経験した人だからわかること、助けてあげられることがあり、助け合える場があるのはステキだなと感じた。また、1回かかわると、「気が付けばそこに来ている」「気が付けばそこで(ボランティアスタッフとして)はたらいている」といようにつながりが次から次へとつながって輪が大きくなっていく関係づくりが必要だと感じた。子育てのため社会から離れ、「孤育て」するのではなく、ママさん同士が気軽に出ていける場所がこれからもっと増えていってほしい。また妊娠中や家庭全体を支援できる活動も必要だと思う。社会の中に隠れ、苦しんでいる人へのニーズの発見、支援のため深いところにも目を向けていくべきだと気付いた。(E.Sさん)
ほかの学生さんたちも多くの気づきを得ていることが感想文から窺えました。
内海さん、一緒にいらしていただいたYさん、Fさん&Fさんの9か月の赤ちゃん(Eくん)、本当にありがとうございました。