医療ソーシャルワーク実習訪問録

 いよいよ実習も最終段階となりました。本学科の病院実習は、大学病院、国立医療センター、市立病院、地域支援病院やリハビリテーション病院でソーシャルワーク実習を実施しています。学生の就職を視野に入れながら実習先を選定しています。医療ソーシャルワーカーは専門職としての歴史も100年と長く、近年、診療報酬や医療法で配置基準や支援加算の対象となり病院では不可欠な職種となっています。
 
 初日、学生は白衣を身にまとい緊張します。専門職への第一歩です。実習では患者さんやその家族との面接に同席します。電子カルテを見て、SOAPという記録の書き方を学びます。面接の様子を記録します。また、医師をはじめとする医療専門職とのカンファレンスに同席します。医学用語が飛び交い学生は戸惑います。
 実習も3週目に入ると、病院やスタッフとも慣れてきます。そんな時、医師の患者さんへの病状説明に同席します。がんのため予後が厳しい告知を目の当たりにし、学生はショックを受けます。医療は生と死のリアリティの場面に遭遇するところです。そんな学生をベテランソーシャルワーカーが学生をサポートしてくれます。気を取り直して、ベテランソーシャルワーカーと相談面接の練習をして技術を学びます。支援計画も作成します。知力・体力・気力、3週目は頑張りどころです。

 教員にとって実習訪問で嬉しいことは、卒業生が学生からソーシャルワーク専門職へと立派に成長している姿に会えるときです。そして上司から「とても頑張ってますよ。良い人材をありがとうございます」と言われると誇らしい気持ちになりますね。
 今年も学生たちはソーシャルワークの奥深さ、社会制度の課題などたくさんのリアリティを学んだようです。