【第4回オンライン就職サロン(公務員:福祉職)】

1月30日(土)の13時半から14時半に、『第4回オンライン就活サロン』を開催致しました。登壇者として、福祉社会学科卒業生であるB市福祉職公務員のAさんをお招きさせて頂きました。高齢福祉課に5年経て現在、児童虐待チームに所属されております。今回の就職サロンは、Aさんが事前にみなさんから頂いた質問に丁寧に答えて頂きました。講師が同学科卒業生ということもあり就職サロン実行員一同、Aさんにお会いするのを楽しみにしておりました。無事に就職活動サロンが終了したためブログにて報告します。

今回の就職サロンのテーマ・質問は大きく分けて3つありました。

【1】就職活動について

【2】仕事について

【3】学生に向けて

こちらの3つを以下にまとめましたので、ご覧いただければと思います。

【1】就職活動について

  1. 福祉公務員を目指したきっかけや決め手は何か

「自分が興味があるもの、やりたいことを考えたすえ児童相談員の職員になりたい、対人援助を行いたい、公務員またはケースワーカーとして活躍できる福祉公務員になろうと自分の中で答えがでました。また、福祉公務員として働く際、様々なケースを手広くできる可能性があると考えました」

  1. 面接の注意点

「聞かれたことに笑顔でハキハキと答えることが大切です。私の場合、対人援助職のためコミュニケーションがより重視されると考えていました。質問内容は民間企業とそこまで変わらなかったですが、自治体の福祉政策について尋ねられるので、把握・理解しておき答えられない場合は前向きな返答を心がけました。」

  1. 公務員の勉強法、社会福祉士の資格勉強との両立について

「公務員一本と決めたのが3年生の冬でした。公務員試験の勉強と社会福祉士の資格勉強の両立は、正直難しかったです。最初は自分で公務員試験対策を行っていましたが、試験科目も多く大変だったためオンラインの予備校を通して公務員試験の勉強を行いました。社会福祉士の資格勉強は、大学で開かれている対策講座を基軸とし公務員試験後に集中して取り組みました。ゼミナールの友人と問題を出し合い協力しながら両立をはかりました」

  1. 公務員試験を受けるにあたり、市役所のインターンシップなどには参加したか

「インターンシップに参加はしませんでしたが、実際に自分の目で現場を見ること、体験することで自分の持つイメージとのギャップが得られることがあるためインターンシップに参加したほうがよいです。学生時代にキャリア支援センターを活用していればよかったと後悔している部分もあるため、キャリア支援センターをたくさん活用して欲しいです」

  1. Aさんの就職活動及び就職活動対策について

「試験に慣れるために民間企業を1つ受けてみました。福祉職の配置は自治体により異なるため自分は福祉職公務員としてどのように働きたいのかを明確にしました。B市の福祉の部署は全員福祉職が配置されることに魅力を感じB市の公務員試験を受けました」

  1. 福祉職の公務員は中途採用でもなれるか

「30歳までは新卒としての採用枠がB市にはあり、転職による中途採用の方も多いです。採用基準や年齢制限は自治体によって異なります。そのため、キャリアプランを明確にして確認すべきです。B市は社会人採用などもありますが、倍率が高くなる傾向があるため30歳までの転職をお勧めします。」

【2】仕事について

  1. Aさんがご活躍される職務内容について

「B市の福祉職公務員として現在は児童相談所の児童虐待チームに所属しています。児童相談所の児童虐待チームは2人体制で虐待通報を一番早く受けるチームです。通報を受けた後、聞き込みや訪問調査を行い状況を把握して状況によっては、相談所の権限で一時保護を実行することもあります」

  1. お仕事のやりがいについて

「児童相談として私達が家庭に介入することで行き詰まっている家庭の空気が明るくなれば嬉しいです。子どもが笑顔で家に帰宅する姿を感じることがやりがいで今後も子どもだけでなく親のことも守っていきたいです」

  1. 職場の雰囲気はどうか、休暇は取得できるのか

「職場によって異なる部分もあるかもしれませんが、協力体制が出来ており職員同士和気あいあいとしています。休暇は、取得しやすいと思います。」

  1. 印象に残っている事例や出来事に関して

「児童相談所配属時に乳児のネグレクト疑いで一時保護を行ったケースは大変でした。親がなかなか応じてくれず本人からは話が聞けないことから葛藤がありました。事例に対し最悪の事態を考慮して悩みました。年齢が小さければ小さいほどリスクは大きいので注意が必要です」

  1. 業務の中で困難を感じたり、もどかしさを感じる瞬間に関して

「子どもが安心してのびのびと生活してほしいという想いから、相手に応じてもらえず、上手くいかないことがもどかしいです。どのようにしていくべきかを考え子どもの人権を否定している虐待を是正しなければならないと感じます」

【3】学生に向けて

  1. 学生のうちにやっておくことは何か、やっておけばよかったことは何か

「福祉職の公務員が活動する場所、福祉の現場に行くことです。ソーソャルワーカーになると施設間との関わりが多いので、実際の現場が分からないと同じ目線で物事を考えることが難しくなる恐れがあります。関係機関の方と同じ目線でソーシャルワークをすることが大切です」

  1. 福祉職の公務員として、支援を遂行するにあたって必要な力はあるか

「一人で抱え込まないことが大切です。心に負荷がかかってしまうケースもあるためバーンアウトしやすい面もあります。だからこそ、職員同士で話しを共有してストレス発散をする、仕事とプライベートを切り分けることがポイントです。人に自分のことを言える力、人に頼れる力が必要だと思います」

という上記の通りの回答が得られました。
【事後アンケートに関して】

「公務員志望のため公務員試験対策や職種内容を具体的に聞くことができて良かった」「以前から公務員試験の話は伺っていたが、就職サロンを通して気づきや発見があり勉強になった」「進路を具体的に考え直し、経験から生まれる視点の大切さを学んだ」「自分の将来に対しての不安が軽減され安心した」という参加学生からの声が得られました。公務員志望の学生の参加割合が多かった点もあり、就職サロンに関する満足度は100%でした。Aさんの具体的かつ適切なアドバイス、回答がこの結果に導いたと感じます。そして、卒業生だったという点から「イメージしやすかった」という声も聞かれました。

今後も就職サロンに参加してみたいと思うに関してでは、非常に良いそう思う50%、思うが50%だったため就職サロン実行委員として嬉しく感じます。就職サロン実行委員として興味を持つ対象を広く持つことの大切さを学生に伝え、学生のニーズに応える努力や情報発信に努めていきたいと思います。
【実行委員からコメント】

Aさんから回答を頂き、私は自己分析が大切であると考えました。「自分は何に興味があるのか、何がしたいのか、経験から生かせることは何か」などすべての項目に共通する「何」を自分に問い詰めることで自分を理解し、現在から未来までの将来像を考えることで自分のキャリアプランの決断がつくのだと思います。そして、自分一人で試験や就職活動を乗り越えるのではなくキャリア支援センターや友人の力を借りることが大切であると学びました。福祉職公務員だけに関わらず「自分のことを相手に伝えること」は、社会生活を送るうえで大切なことであると思い、今回の就職サロンの中で特に印象に残った言葉でした。なにをするにしてもコミュニケーションを取り自分を知ってもらうことが大切です。新型コロナウイルスによって私たちの環境は変わりました。精神的にきつい時や助けを求めたい時、相手に自分のことを伝え頼りにすることでこころが楽になると私は思います。このようなことから公務員志望の学生以外にも「Aさんの話を聞いてほしかった」と感じています。また、福祉の面で見る社会問題に対して、福祉を学んだ者と学んでない者とのでの感じ方の違いについても学びました。実際に現場で働いているからこそ「他人事ではなく自分もいつかはなる可能性がある」という言葉に重みがあり、伝えて知ってもらうこと、周囲を巻き込んでいくことの大切さを聞くことで改めて確認することができ貴重な時間となりました。私を含め感じたことや勉強になったこと、多くの学びを得られた学生が多い就職サロンとなりました。私たちの先輩から話しを伺えることを貴重な経験です。有意義な時間で終わりにはせず学びを生かしていきたいと存じます。

(3年就職サロン実行委員 井上 菫・遠藤花音)