7月13日(火)の「ソーシャルワークの基盤と専門職」の授業(オンライン授業)に社会福祉HERO’Sの2名を外部講師としてお招きしました。社会福祉HERO’Sの方を授業にお招きするのは、昨年度に続き2回目です。
社会福祉HERO’Sとは、全国の福祉現場ですぐれた実践(挑戦)をしている若手職員のプレゼンコンテスト(全国社会福祉法人経営者協議会主催)で、今回の外部講師の方は2020年度の全国代表に選ばれた7名のうちの2名です。
(詳細は、http://www.shafuku-heros.com/movie/からどうぞ。)
今回の授業では、社会福祉HERO’Sでのプレゼンテーションの内容を学生が事前学習として視聴した上で、そのプレゼンテーションの内容以外の部分の日常の支援の様子や支援にあたっての考え方や大切にしていることなどを教えて頂くことを目的に、社会福祉法人光陽福祉会(鹿児島県)の上馬場鉄也さんと社会福祉法人多摩同胞会(東京都)の福本美希さんにご登壇頂きました。
上馬場さんは、知的障害のある利用者さんの「その人らしさ」を大切にして、利用者の方の強みとアートを組み合わせた支援を通して、それを商品化につなげ、地域・社会に障害のある方の理解を広める実践をされています。
授業では、その支援を通して、「自分自身を受け入れることができ、自分が成長した」ということをお話下さいました。
また、そうした利用者の方とのかかわりを通して、福祉のネガティブなイメージを払拭するということにも尽力されていることがわかりました。
(写真左は利用者の方の強みを活かしてアート(絵)の作成を支援している様子 ※ご本人の許可を得て写真を掲載しています。)
福本さんは、訪問介護の仕事をしながら、施設のボランティア・コーディネーターとして活躍しています。
その中で、介護保険制度では叶えることのできない地域の高齢者の「ジャズ喫茶に行きたい」とか「落語を見たい」といった、一見、本当にささやかだけれど、ご本人にとっては、ものすごく大切な夢を、地域の人たちと一緒に叶える活動をされています。
授業では、認知症がある方への支援のあり方や自分の物差しではなく、利用者の方の目線・立場にたって支援をすることの重要性などを色々な具体例を出してお話下さいました。
(写真左は、地域の利用者の方、ボランティアの方と一緒に落語に行ったときの様子 ※ご本人の許可を得て写真を掲載しています。)
学生の授業後の感想からは、上馬場さんが障害を持つ方の「できないところではなく、できるところに目を向ける」という点や、「福祉は大変じゃなくておもしろい」というメッセージなど、色々なポジティブなメッセージが心に響いたようです。
また、福本さんが実際に支援を行っている様子を映した動画の中で利用者の方にどうしたいのかを丁寧に聞いている様子や、利用者の方の好きなこと、喜ばれることをきちんと把握して対応していることなど、利用者の方の立場に立った支援が心に残ったようです。
大学の授業などを通して、現場の大変な様子を聞いたりする中で、学生たちは福祉の仕事を自分ができるのかと思ってしまいがちですが、今回のお二人のお話を通して、改めて福祉の仕事の魅力を学生たちはたくさん感じたことがわかりました。
社会福祉HERO’Sは、今年で3回目となりました。ヒーローズの方たちのプレゼテーションやこうした直接の外部講師としての授業は、学生をはじめ、どんな人にも感動を与えてくれると思います。
ぜひヒーローズの方たちのプレゼンテーションを見て頂き、福祉への関心を高めて頂ければと思います。
(北本佳子)