日常生活において「ことば」を使うことは、歩いたり、食べ物を食べたりすることと同じくらいに「当たり前」のこととなっているため、改めて考えてみることは少ないことでしょう。
高校までの「国語」の授業では仮名や漢字の表記、文法のきまりや単語の用い方、文学作品の理解などについて多くの時間をかけながら学習してきたわけですが、その目標は「正しい日本語」の知識を習得するところにありましたので、「ことば」を使うというが実は「当たり前」のことではなく、その背景には驚くほど緻密なシステムがあるということには気が付いていないことが通例です。
言語学の授業では、音声や単語の形、あるいは意味の中にあるしくみや会話によって実践されている相互行為に至るまで、広く「ことば」の不思議についての「ことば」による理論を学習しています。
「ことば」の働きは「コミュニケーション手段」としてだけではありません。
「ことば」に興味がある人は、是非、言語学を学んでみましょう。