今回は就労支援サービスの授業を紹介します。この授業では、労働に関する法律や制度の知識を身につけ、若者、女性、高齢者、障害のある人など、あらゆる層の個々人が社会で活躍できる場と働き方を見出せるよう、社会福祉士としての就労支援のあり方を学びます。
少子高齢化や経済のグローバル化、共働き世帯の増加などによって労働環境は大きく変化しました。非正規社員の急速な増加や雇用形態の多様化が進み、厳しい雇用環境のなかで、福祉事務所やハローワークなどの関係機関による就労支援、その支援の場に社会福祉士が関わる場面が増えています。さらに新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワークでの在宅勤務など、新たな生活様式を取入れたより働きやすい社会を実現していくためには、福祉施策のみならず雇用施策との連携が重要です。
この授業では就労支援に関わる企業や民間団体の就労支援者を外部講師としてお呼びし、支援の実際を学ぶ機会を設けています。今年度はブックオフコーポレーション株式会社の特例子会社ビーアシスト事業所による障害者雇用の取組み、中高年事業団やまて企業組合による生活困窮者自立支援について、お話を聞かせて頂きました。各企業による実際の支援事例から、効果的に実践するためには専門職だけではなく、専門職以外の多様な人材や組織・機関のネットワークが展開されていることがわかりました。
授業風景:ビーアシスト事業所 やまて企業組合
就労支援に関わる社会福祉士には、生活困難に直面している人の側に立ち、産業社会の動向を視野に入れ、個々人が直面する社会関係に対して調整・調和させる役割があります。多様な働き方が進み、複合的な生活困難をもつ人々が着目される今、社会福祉士にはますますの活躍が期待されています。
授業担当者:根本治代