2月24日(土)に第17回 昭和女子大学社会福祉学会が開催されました。
興梠先生には、ご自身の活動の原点から東日本大震災、熊本地震、能登半島地震発生後の災害ボランティアコーディネートへの取り組み、学生ボランティアとともに出向いた「女川町 風の学校ボランティアワークキャンプ」での体験談等、大変興味深い内容を語って頂きました。
中でも、『ボランティアしてもらうボランティアも必要』という言葉が非常に印象的でした。
続くシンポジウムでは、各分野より専門職の立場から3名の講師の方にご発表いただきました。
始めに、東京都湾岸リハビリテーション病院 言語聴覚士の徳山明子様から、「千葉県言語聴覚士会における災害リハビリテーションの取り組み」と題してご発表いただきました。特に課題として挙げられていた『災害は、忘れる間もなくやってくる大禍』という言葉を、強く肝に銘じたいと思いました。
また、専門職ではなく、被災地で学生だからこそできる関わりとして、被災者に寄り添って話を聴くことが口腔ケアにも繋がると学生へ向けてお話下さいました。
続いて、昭和女子大学附属昭和こども園 主幹教諭の佐藤瑠美先生から、「保育の現場から~震災を経験して~」と題して、東日本大震災での経験から震災を活かした現在の備えについて語っていただきました。
非常時に備えての保育や避難訓練を積み、子ども達に慣れてもらう事が何より大切であると同時に専門職として「多角的視野を持つこと」、「コミュニケーションを取ること」の2点の重要性を学ばせていただきました。
最後に、日本大学文理学部社会福祉学科 准教授の吉田仁美先生から、「災害時における聴覚障害者への支援~ユニバーサル・デザインの視点を含めて~」と題して、ご発表いただきました。
まず始めに、東日本大震災における障害者の被害状況が非障害者の約2倍と知り衝撃を受けました。
特に聴覚障害者の方は音声情報が正しく伝わらず避難が遅れてしまう。周囲の理解と協力が不可欠であると気付かされました。また、実際に必要とされる支援例や今後ますます期待されるICTの活用等、具体的に語っていただき、大いに学ばせていただきました。
質疑と討論のコーナーにおいて、4名の講師の方より述べられた学生たちへの期待が込められたメッセージは、しっかりと胸に刻まれたことと思います。
東日本大震災から間もなく13年が経ちます。
学生ボランティアENVOの実践報告でも発表いただきましたが、改めて震災を風化させない為に、被災地との継続的な関わりや活動を伝え続けることの大切さ、心のケアの重要性を学ばせていただきました。
そして、日頃から災害時に適切な支援を行う為の準備が何より大切であり、一人ひとりが災害への意識を見直す機会となりました。
他にも、優秀論文に選ばれた4年生の卒業論文発表、学生ボランティアの実践報告などが行われました。
ご登壇いただいた皆様に感謝申し上げます。