現代教養学科 天笠研究室(あまラボ)では、昨年度から株式会社インフィールドデザインと共同研究 infie(l)ducation Porjectを実施しています。インフィールドデザインが日本におけるパイオニアとして先導してきた経験デザインと呼ばれる手法を社会課題に応用し、学生たちの発想で課題を乗り越えるアイディアを考えるこのプロジェクト。本年度は「国道17号線の幸福論」をテーマに、研究を進めてきました。
国道17号線は、東京の日本橋からスタートし、さいたま市や北関東の工業地帯を通り、日本有数の米所の農村部を抜け、日本海側最大の都市である新潟市に辿りつく道です。その道をたどると「日本社会の断層」が見えてきます。地域格差の広がりが指摘され、地方の「消滅」が叫ばれる中、本当に10年後の地方や郊外に「幸せ」はないのでしょうか?そして、一極集中が指摘される東京に本当の意味での豊かさは残るのでしょうか?
あまラボは「メディア・コミュニケーション論演習」であり、メディア研究をテーマにしたゼミです。一見、この共同研究はメディアとは無関係なように思えますが、私はこういった「社会への目線」こそが、メディアの進化を考える上で最も重要だと考えています。今しきりに取り上げられいる人口知能の技術もバーチャルリアリティも社会からの要請なくして普及する事は考えられないからです。
こうした社会課題とメディアや技術との幸せな関係性を考えるため、今回の共同研究では、1)都心、2)郊外、3)工業地帯のロードサイド、4)過疎化の進む農村部、5)地方都市の5か所で、そこに暮らす家庭や企業を訪問するなどフィールドワークを行ってきました。そして、学生たちが社会の主役になる、オリンピックも終わった10年後のそれぞれの地域での幸せの形を、経験デザインの手法を使って、学生たちとともに考えてきました。
その成果を共有し、議論をさらに深めるための、報告会とワークショップを、11月14日(月)18時30分から、上野駅近くのイベントスペース「いいオフィス」にて開催します。報告会の様子も、こちらで報告いたしますので、楽しみに(笑)お待ちください!