特研「森は海の恋人・人の心に木を植える」で心の中に新しい芽が吹きました!

さる11月1日に現代教養学科では今年度2回目の「特殊研究講座」(略称:特研)が開かれました。今回はNPO法人「森は海の恋人」の理事長で京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授でもあられる畠山重篤先生をお招きし、「森は海の恋人・人の心に木を植える」と題して、海と山との関わり、カキ養殖を通じた人々との繋がりについてお話をいただきました。

「海と森を別々に考えるのではいけない。すべてが繋がっていると考えなければならない」と畠山先生はこう講演の中で繰り返されました。カキが食べる植物プランクトンは、元をたどれば山の豊かな自然がないとできないものです。自然を部分的に見ていてはいけないという強い信条で畠山先生は山に木を植える活動を長い間続けられ、「森づくり」をされる傍ら、自然への意識が希薄になっている現代の多くの人に体験学習を通じた環境教育で「人づくり」もされています。これこそが、「人の心に木を植える」活動なのです。

一方で悲しいことに、東日本大震災によって養殖業や水産業は大きな打撃を受けました。その中で「森は海の恋人」運動への支援の声を上げたのはなんとあのルイ・ヴィトン氏でした。森と深い関係のあるルイ・ヴィトン氏と畠山先生の植林運動が結びつき、その取り組みは今も続けられています。さらに言えば、実は宮城のカキは、50年前にフランスのカキ養殖の危機を救った歴史もあるそうです。宮城のカキが、二つの国を繋いでいるのです。

「すべては繋がっている」ということは、カキのお話だけでなく、私たちの学びにも同じことが言えるのではないでしょうか。特に私たち現代教養学科は、社会をあらゆる視点からみて学び、問題を見出していく学科です。都会の大学で現在過ごしている我々には、海も山も遠い存在かもしれません。しかしだからといって、この社会に生きているのに知らないままでいるのは、なんだか落ち着かないような、もったいないような気持ちになりました。

 

何事も、自分には関係のないことだと切り捨てるのではなく、すべては繋がっているのだと心に留め、積極的に学ぶ姿勢を忘れずにいたいですね!

ご多忙の中、貴重なご講演をいただいた畠山先生に、この場を借りて感謝の意を申し上げたいと思います。私たちの心に先生は確かに木を植えてくださいました。本当にありがとうございました!

(記事:1年 吉江)