特研「社会に問う番組作り―『バリバラ』を通して」目からウロコ!

現代教養学科で年に2回の「特殊研究講座」(略称:特研)が5月30日に開かれ、今回のゲストはバリアフリーバラエティ「バリバラ」の制作に携わってきた日比野さんと同番組の出演者でもある「体は女、心は男のトランスジェンダー芸人」の万次郎さんでした!お二人を招いての今回の講演は実に一風変わった形態で行われたので、簡単に報告しますね!

まず「バリバラ」はNHKで2012年にスタートした、障害者のための情報バラエティーであり、笑いの要素を織り交ぜながら、これまでタブー視されてきた多くのテーマに挑んできた番組です。

聞き手である私たちが各々のスマートフォンなどを使い、リアルタイムで投げかけられた質問に答え、その答えがスクリーン上にすぐに反映されることになっていました。その質問にはコメントを書く欄があり、そこでより具体的に意見を発信できるという仕組みでした。匿名ということもあり、私たちは自由に意見をすることができました。中にはユーモア溢れるコメントもあり、それに対するゲストのお二人の掛け合いも面白く、さすがバラエティー番組の制作者と出演者だなぁという印象を受けました。また、アンケートに参加させる形式にしたことで、居眠りする人はもちろん一人もいなくて、私たちを退屈させない斬新な工夫が感じられました。

日比野さんは「障害者を笑うことの何がいけないのか?面白いと思った時には笑えばいい」といいました。そして「障害者を笑う、ではなく障害者“と”笑う、という意識に変わればいい。」と続けました。障害者と健常者で笑いの垣根を作らないことこそが重要なのだと感じさせられました。

後半には、万次郎さんのネタが披露されました。万次郎さんは「万次郎あるある」と称し、自分の今までの経験を面白おかしく話してくれました。トイレや温泉において体の性別で分けられてしまう時に自分はどちらに入るべきなのかなど、トランスジェンダーの人しか経験しえない感情をわかりやすく私たちに伝えてくれました。テーマはタブー視されがちな性についてでしたが、芸人さんのネタなので私たちも素直に驚けましたし、心から笑えました。

「性の不一致こそが自分のアイデンティティー」という万次郎さんの前向きな姿勢は考えさせられるものがたくさんありました。今までにないような、終始明るく楽しい講演会で、目からウロコの連続でした。貴重なお話を本当にありがとうございました!

 

(記事:1年・松本)